joKer 2

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『そうだよ。KINGの部屋は4階』
「KINGっていうくらいだから、やっぱり王族みたいな部屋なわけ？」
『ん〜まあ、王座の間的な？』
「へ〜、王ってだけあるね」

羨ましいぜって北山は笑う。

4階はあの部屋しかないから、ドアを壊せば多少の時間稼ぎにはなるかもしれない。


「部下呼ばれたら困るしなあ。まあ宮田と連絡つかなくなった時点で考えても仕方ねーし、気持ち程度ドア壊すとかしとくか。…で、本題はご本人ですけども。どのくらい強い？」
『…強い』
「もっと具体的に言えや」
『…私は敵わない。皆にも無理だと思う』
「うは〜…Aにも敵わないのかよ」


前途多難、だ。
北山は頭に、私には脇腹に傷がある。調子良くても不可能な相手に、傷を負った状態で挑むなんて馬鹿かもしれない。


「まあ…考えても仕方ないってやつか」
『…そうだね。とにかく死なないで、隙を見て攻撃、かな』
「Aが弱気になるって、強すぎるだろ」
『…でも私が負けると思っているように、あっちも絶対に勝てると思ってる。現に私たちの侵入分かってて、こうやって泳がしてるわけだし。だからその傲りを突くしかない』
「なるほどね…頑張ろうって話ね」
『ふふ、そうね』


無理だと分かっていても戦わないといけないときがあるって、エースは昔に言ってた。戦い方は沢山ある。体だけじゃなくて、頭も使わなきゃ。


よしそろそろ行くか、と北山は立ち上がった。ぐーって伸びて、パンプキンは縛っておこう、と紐を探している。


「A！この紐使っていい？」
『何で聞くの？』
「だってここAの部屋だろ？」
『あ〜…いや、私の部屋はひとつしかないよ』
「……ふは、そっか」


じゃあ貰いまーすと言いながら、ジャックをぐるぐる巻きに縛りつけた。まだ気絶してるけど、起きたら面倒だ。


「よし、こんなもんか」
『…じゃあ、行こうか』
「ああ。A腹怪我してるし、無理すんなよ」
『ここで無理しなくていつするのよ』
「まあそれもそうか」


にひって笑う北山は、鉄パイプをまたフルスイングした。



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