第十四の敵 ページ14
今日も一日中ポートランドへ向かうため、バスに乗っていた。
そのバスの中で、私は承太郎と喧嘩していた。
『…タバコやめてよ』
承「なんでだよ」
『いや、なんでだよじゃないでしょう!!臭いし!』
承「鼻つまんでりゃあいいだろ。」
『そういうことじゃあないのよッ!!私は…ッ、その……』
私は承太郎にタバコを吸ってほしくない理由があった。
しかし、恥ずかしくてなかなか言えなかった。
"タバコを吸って体に何かあったらどうするの"
本当はそう言いたかった。
多分、言えば良かったんだろうけど…結局言えず、ヒートアップしてしまった。
…のを、いま川辺で猛烈反省中の私。
承太郎と喧嘩したの初めてだな。
『あああぁ〜、謝りたい〜!』
そこら辺の石を川に投げた。
ぽちゃん、と音がした。
川をぼーっと見ていると、金色に輝く物を見つけた。
『ランプ…?』
興味本意で撫でてみると、まるでアラジンと魔法のランプのように
「願いを3つ叶えてやる」
と、言われた。
遊び半分で私は
『父さんと母さんに会いたい。それと…』
ブレスレットを見ながら私は言った。
『承太郎に謝りたい。』
そう言うと、土から父さんと母さんが出てきた。
『あ、ああ…父、さん…?母さん…?』
本当に…?
「リュウ、お前を食えば生き返れる…。」
『は…?』
父さんの口から放たれた言葉はまるでロボットのような、心の無い声だった。
私が戸惑っていると、父さんは私に噛みついた。
『…ッうぁあ!!!』
腕に噛みつかれて、血も出てきた。
いつの間にか母さんにも噛みつかれていた。
嫌だ、嫌だ、嫌だ!!!
こんなの父さんと母さんじゃない!!!
やめて、そう言いたかったが、なぜか声は出なかった。
その代わり、無意識に出てきた言葉。
『承太郎ッ…たす、けて……』
涙で視界が霞む。
偽物の承太郎は私に噛みついている。
『もう、いいから、土に帰って…!』
「ダメだね、もう3つの願い事は叶えたからな。」
…じゃあ、終わりじゃん…。
父さんや、母さん、承太郎に、攻撃なんかしたくない。
目を閉じようとしたとき、声が聞こえた。
承「リュウ、いるのか!!」
承太郎…?
ああ、空耳か
承「いたら俺の事を呼べ!!」
本当に来てくれるなら…。
『承、太郎ッ…ここ、に居る…!』
頼みの綱。
お願いだから…。
私は、まだ…
死んでも死にきれない
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カレーライス - あんころもちさんの作品も早く読んでみたいです! (2017年12月16日 20時) (レス) id: 3c57821f6f (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち - 続編&完結おめでとうございます!続き、楽しみにしています! (2017年12月16日 20時) (レス) id: e93aa7ac9b (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち - ありがとうございます! (2017年12月16日 11時) (レス) id: e93aa7ac9b (このIDを非表示/違反報告)
カレーライス - 画面の一番下にパスワードと書いていませんか?書いてあったら、そこに設定したパスワードを入れてください! (2017年12月15日 22時) (レス) id: 3c57821f6f (このIDを非表示/違反報告)
あんころもち - カレーライスさん、質問デス!…実は私、3DSで見てるんですけど作りたくても保存を押してからの次がわからないんです。どうすればよいでしょうか? (2017年12月15日 21時) (レス) id: e93aa7ac9b (このIDを非表示/違反報告)
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