IHの屈辱 ページ36
京谷さんに頼りっきりでなく松川さんなども得点に絡み、23-19。
ここで笛が鳴り、烏野の交代となる。
10番の札を持ちコートの横に立っていたのは忠だった。
IHのときはガチガチに震えていた忠。
でももう震えなんてなかった。
「「「山口1本ナイッサー!!」」」
笛が鳴り、忠は深呼吸する。
ドッ
ボールはネットを越えて青城コートに入り、渡さんと京谷さんの顔くらいの位置に来た。
渡「アウト!」
渡さんがそう判断し、京谷さんも腕を引っこめてボールを見送る。
しかしその瞬間ボールは誰かに上から押されたように真下に落ちた。
赤旗がバッと下げられる。
烏「「「うおぉぉおっしゃぁぁぁぁ!!!」」」
一瞬の沈黙の後、烏野は叫びながらコート上にいる全員が忠に集まった。
忠のサーブがようやく完成した。
俺はぼやける視界の原因を一生懸命抑える。
今俺が泣くのは絶対違う、泣くな泣くな…!
ピーッ
忠の2本目のサーブ。
先程とは違い京谷さんの目の前に飛んできた。
京谷さんはアンダーで構える。
するとまた起動が変わり、ボールは京谷さんの肩に当たって弾かれた。
サービスエース2本目だ。
3本目。
忠のサーブは今度は花巻さんの方に飛んだ。
花巻さんはオーバーでボールを捕まえる。
上手い…反応が早い。
及川さんがトスを上げ、岩泉さんがスパイクを打つ。
そのスパイクを忠は身体で受け止めた。
うわ痛い…。
その力の元は根性以外の何物でもなかった。
影山がカバーに入り蛍がスパイクでブロックアウトにする。
烏野が3連続得点で点差は1点になった。
ここで青城がタイムアウトを取った。
忠は俺と一緒に壁に向かって立ちはだかって、自らその壁を壊すことに成功したんだ。
いや違う。
もしかしたら俺は壁の前にすら立っていなかったのかもしれない。
自分が思うようにプレーできないのを身長のせいにして、蛍のせいにして…。
ウイングスパイカーだって身長が届かないから諦めたんだって本当は自分でも分かっていた。
でも気付かないふりをしていた。
本当は誰よりも身長のことに対して諦めていたことを知られるのが怖かった。
…蛍に謝りたい。
許してもらえないかもしれないけどこの試合が終わったら蛍に俺の気持ちを伝える。
忠のサーブのおかげでそう決心できた。
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イナ(プロフ) - とても感動しました…!更新頑張ってください! (2023年2月6日 3時) (レス) @page50 id: f459994667 (このIDを非表示/違反報告)
しょぼん - 感動…(´;ω;`) (2022年10月3日 23時) (レス) @page50 id: 8b01e3cba4 (このIDを非表示/違反報告)
RIN(プロフ) - 宮 村 。さん» コメントありがとうございます!! 遅くなってしまうと思いますが是非最後まで見守って頂けると幸いです!! (2022年8月3日 14時) (レス) id: d20930fef4 (このIDを非表示/違反報告)
宮 村 。(プロフ) - 初コメ失礼致します!続編おめでとうございますー!更新頑張ってください! (2022年8月3日 13時) (レス) @page3 id: e0cd2bb1c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:RIN | 作成日時:2022年8月1日 10時