内に秘めた嫉妬心�� ページ30
構って欲しかったなんてカッコ悪くて言えるわけない。
けど今はこうして満たされていたい。
二つの事柄が渦巻いたまま言葉に出来なくて沈黙が淀む。
『珍しいね、恬が嫉妬するなんて。しかも先生に。』
「…え？」
『あ、違った？最近会えなかったから拗ねてるのかと思った。』
「随分な言い草だな。」
『ごめんね。恬との時間、最近無かったね。』
Aはそう言いながら安心させるように俺の体を抱き寄せる。
トクントクンと肌で感じる彼女の鼓動がまた心地良い。
やっと俺との時間なんだ、今なら求めてみようか。
それぐらい許されるはず。
「ね、もっと俺の不安を取り除いてよ。」
『ん？しょうがないなぁー、』
Aは抱きしめていた腕を緩め、俺の顔を見た。
その顔は面白いものが見られて一人ニンマリ、としていて何だか腑に落ちない。
でも今は委ねよう。
するとAは俺の唇を柔らかい唇でそっと塞いだ。
それは初めて俺たちが交わした時のように優しい口付けであり短いものだった。
Aからの口付け一つで複雑に交錯していた、どろどろとした黒い感情は次第に薄まりすっと消えていくんだ。
とはいえAに対して欲深い俺はもっと求めたい。
自身の鼻先でツンッと鼻をつつくと、寝台の上で膝立ちになり今度は俺の首に腕を回してさらに何度も深く口付ける。
いつもとは逆の立場だけど、上から降ってくる口付けを受け止めるのもたまにはいいもんだ。
静かな部屋には互いの唇に吸い付く音と、Aと俺の吐息が混じっては消える。
ここで小さな問題が一つ。
軍事学校の仮眠室でこれ以上は、などとわずかな理性が必死に自分の体を引き止めている。
でもそろそろそれも限界かも…このまま押し倒してしまいそうだ。
相反する要求が同時に起こり、まさに天秤のように揺ら揺らとどちらに傾こうとしているのか。
Aはそんな俺の葛藤した心を汲み、名残惜しそうに唇を離した。
はっきり言って、片時も離れたくない。
唇に残った熱と余韻に陶酔してしまうほど愛しいから。
「ねぇ、この後は俺の部屋で過ごそう。」
『ふふ…言うと思った。もちろん久しぶりにお邪魔します。』
「まぁ否定なんて選択肢は与えないけどね。」
後手に回されただけ、今夜は巻き返しを図るよ。
俺たちは仮眠室を後にし、共に蒙家の屋敷に向かった。
剥き出しの嫉妬心（王賁・リクエスト）→←内に秘めた嫉妬心��
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ずーみん(プロフ) - いちご飴さん» 慶舎と白麗、大変遅くなりましてごめんなさい！しかも白麗に至っては激甘というわけでもなく…ちょっと心残りなのでリベンジします。リクエストありがとうございました (2021年8月6日 1時) (
レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» そ、そんなコメントしてるだけなのに私はお礼を言ってもらっていいんですかね(///ω///)♪ (2021年7月23日 10時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
ずーみん(プロフ) - 天空うさぎさん» いつも読んでくださってありがとうございます！毎度励みになっていますー！ (2021年7月22日 20時) (レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» 慶舎も読ませていただきました！漫画とは少し違った世界観が素敵な作品でした！もう大好k((殴 (2021年7月22日 12時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» ↑名前を変えました。元堕紀です。とても良かったです！やはりずーみん様の作品にははずれがないな……(≧▽≦) (2021年7月11日 11時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プラリネ | 作成日時：2020年11月26日 23時
