剥き出しの嫉妬心（王賁・リクエスト） ページ31
著雍戦での論功式典が終わった。
玉鳳隊と録鳴未軍は蒙武軍がいる前線へ援軍の為出撃することとなった。
楚軍との戦いに向けての南へ行軍中のこと。
『関常さん、戦術について伺いたいことが…』
『関常さん、鍛錬を見ていてもいいですか？』
『関常さん、今夜少しお時間ありますか？』
約半年前、どのような目的で王翦軍から来たのかは知らぬがその真意が不明な以上、関常に対してはいまだ手探り状態で俺は接している。
それがAときたら何なのだ。
近頃は関常、関常と。
行軍中でも野営地であっても二人で話し込み、共に過ごしている様子をよく目にする。
対する関常も時の許す限り付き合う姿勢を取っているようだ。
Aは他人にあまり求めぬ性分で、俺に対しても例外ではない。
故にもう少し頼ればよいものをと思う時があるほどに。
しかも恋仲という間柄である俺に頼らずわざわざ昨日今日、知り合った者に尋ねるその胸中が理解できぬ。
今までは見て見ぬふりをして構えるのが正しいのかと思っていた。
しかし自分の心中に問いただせば、ただ不愉快極まりない。
アイツの男として、求められたら最大限に応えたいと常々思っているのだが現実は空回りだ。
そして羨望と嫉妬、二つの感情が混ざり合い体の中から支配されていくのが分かる。
次にAと二人きりになった時はこの行き場のない感情をぶつけてしまいそうだった。
著雍を離れて数日、隊員の一人が幸運にも一帯に点在している温泉を見つけた。
必然的に今夜の野営地が決まり、少々早めの休息に入る。
張られた天幕で槍を立てかけ、鎧を脱ぐ。
少しは胸のつかえも取れるだろうか、早く湯に浸かり身も心も清めたい気分だ。
すると今まで会いたいようで顔を見たくなかった者が来た。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 53人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ずーみん(プロフ) - いちご飴さん» 慶舎と白麗、大変遅くなりましてごめんなさい！しかも白麗に至っては激甘というわけでもなく…ちょっと心残りなのでリベンジします。リクエストありがとうございました (2021年8月6日 1時) (
レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» そ、そんなコメントしてるだけなのに私はお礼を言ってもらっていいんですかね(///ω///)♪ (2021年7月23日 10時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
ずーみん(プロフ) - 天空うさぎさん» いつも読んでくださってありがとうございます！毎度励みになっていますー！ (2021年7月22日 20時) (レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» 慶舎も読ませていただきました！漫画とは少し違った世界観が素敵な作品でした！もう大好k((殴 (2021年7月22日 12時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» ↑名前を変えました。元堕紀です。とても良かったです！やはりずーみん様の作品にははずれがないな……(≧▽≦) (2021年7月11日 11時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：プラリネ | 作成日時：2020年11月26日 23時
