内に秘めた嫉妬心�� ページ29
「隣室は仮眠できるよう寝台がある。粗末なものだが…運んでやってくれ。
お前にも不安な思いをさせたか、珍しく顔に出ているぞ。」
「はは…参ったなこれは一本取られましたね。」
うわ〜恥ずかしーバレバレじゃん。
居たたまれなくなった俺は羽織らせている衣を先生に返し、横抱きにした彼女をそそくさと運んだ。
でも流石に目を覚まし、寝台へ寝かすと同時にむくりと上体を起こした。
『ん…？何で恬がいるの？』
「A、今の仕事は大方一区切りした。礼を言う。次は三日後でいいから蒙恬の相手をしてやってくれ。」
『先生…？あれ？どういうこと？』
久しぶりに会ったんだからもう少し再開を喜んでくれてもいいのに。
先生は言いたいことだけ言って退室してしまうし、寝起きのAは今の状況に頭が付いてきてない。
俺に説明を求めたが何だか自分から開口する気も起きないのは、やましい気持ちがあるからだ。
『恬？てーーん！』
珍しく押し黙った俺を見て心配そうに眉根を寄せたAが、隣に腰掛ける俺の袖口を控えめに引っ張りこちらに体を向け距離を詰める。
『ねぇねぇどうしたの？』
もうダメだ。
Aを前にして不貞腐れることなんて出来ないや。
でもいつも通りってわけにも何だかいかなくて。
疲れていた中、申し訳ないけど…。
胸がキュッと締め付けられた、そんな気分を少しでも受け止めて欲しい想いもあった。
そうした気持ちが後押しをしてAの肩に額を預け、すがり付くように腰に回した両腕は力を込めた。
思いがけない行動に少し面食らったかもしれない。
でもAは何も言わず控え目に俺の背に手を回し、もう片方の手は頭に触れ髪を指に絡めながら撫で始めたんだ。
すると体の内側から灯がともったようにじんわりと温かく穏やかになっていって、ここに来た時からくすぶり続けていた心の穢れも次第に消え去ってしまった。
『ふふ…恬の匂いがする。』
「…さっきまでAは先生の匂いに包まれてたんだよ。」
『ん？』
そっか、寝ていたから知らないんだ。
先生が気遣って羽織を肩にかけていたこと。
でもちょっと意地悪なこと言ってしまったかな。
だって最初は手伝いに行くと準備している様子が嬉々として見えて。
それから連日朝早くから夜遅くまで先生の為に尽くして、二人で会える日が全く無くなって。
やっと会えたと思ったら何で俺がいるのかなんてさ、つれないよ。
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ずーみん(プロフ) - いちご飴さん» 慶舎と白麗、大変遅くなりましてごめんなさい！しかも白麗に至っては激甘というわけでもなく…ちょっと心残りなのでリベンジします。リクエストありがとうございました (2021年8月6日 1時) (
レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» そ、そんなコメントしてるだけなのに私はお礼を言ってもらっていいんですかね(///ω///)♪ (2021年7月23日 10時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
ずーみん(プロフ) - 天空うさぎさん» いつも読んでくださってありがとうございます！毎度励みになっていますー！ (2021年7月22日 20時) (レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» 慶舎も読ませていただきました！漫画とは少し違った世界観が素敵な作品でした！もう大好k((殴 (2021年7月22日 12時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» ↑名前を変えました。元堕紀です。とても良かったです！やはりずーみん様の作品にははずれがないな……(≧▽≦) (2021年7月11日 11時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プラリネ | 作成日時：2020年11月26日 23時
