蒙恬の一目惚れ（リクエスト） ページ10
「あー間に合うかな〜！」
今日は長らく戦に出ていた父が屋敷に帰ってくる日だ。
出迎えの為、昼までには戻っているようにとじィに釘を刺されていたが、呉服屋の店主との話が弾んで既に遅れそう。
早足で帰路についていると、すぐ先の曲がり角から出てきた人とぶつかってしまった。
「おっと！」
『…っ！！』
先に俺の体が反応し、相手の背を抱え何とか転ばないように支えられた、のはいいが。
意外と勢いがあったのか対する相手は足首を痛めてしまい、それと同時にいくつかの木簡の柵がカランカランと道に散らばる音が響く。
そう、相手は女性で一旦座り込みながら痛めた部分を気にしていた。
そして慌てながら木簡の有無を確かめている。
俺は急いでいたとはいえ、女性相手になんて失礼なことをしてしまったんだと焦った。
気配に気付かない上に庇うことも出来なかったなんて。
「ごめん！本当に！俺からぶつかっておきながら！怪我は？」
『私も注意散漫でした…それよりも何か急ぎの御用があったのでは…？』
介抱しようとする俺と、上体を起こした彼女の顔が思いのほか近く一気に顔が紅潮していく。
そんな彼女を見て思わずドキリとしながら胸が早鐘を打つ感覚に襲われた。
自分と同じく二十歳を過ぎた年頃に見えるが、まるで少女のように初々しい反応だ。
それは近頃とんと忘れていて新鮮だったはずの感覚であり、男として何か駆り立てられるものが全身を巡った。
今さらじィに怒られても構わないや。
とりあえず散らばった木簡を拾うと、落とした拍子に紐が外れたのかカラカラと内容が露わになった。
「えっこれって…」
彼女は悪いものを見られたように、俺が手にしていた木簡を奪い、これ以上見せられまいと腕の中に抱え込んだ。
まるで良からぬことをして親に叱られた子供のような、きまりの悪い顔をしている。
『おかしい、ですよね。女が法を学ぶなんて。』
「…？何で？すげーいいことだと思うよ。」
『裁判官である父の法学書を興味本位で覗いたら思いのほか熱中してしまって。
でも父としては女は芸事に精進するものだ、の一点張りで…』
「それで法学書を持ち出しては目の届かない所で勉強していたと。」
彼女はコクリと頷き、俯きながら寂しそうに口の両端を上げる。
俺はうーんと考え込んだが、一つ良い案が浮かび是非を求めた。
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ずーみん(プロフ) - いちご飴さん» 慶舎と白麗、大変遅くなりましてごめんなさい！しかも白麗に至っては激甘というわけでもなく…ちょっと心残りなのでリベンジします。リクエストありがとうございました (2021年8月6日 1時) (
レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» そ、そんなコメントしてるだけなのに私はお礼を言ってもらっていいんですかね(///ω///)♪ (2021年7月23日 10時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
ずーみん(プロフ) - 天空うさぎさん» いつも読んでくださってありがとうございます！毎度励みになっていますー！ (2021年7月22日 20時) (レス) id: 366da61a1e (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» 慶舎も読ませていただきました！漫画とは少し違った世界観が素敵な作品でした！もう大好k((殴 (2021年7月22日 12時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
天空うさぎ - ずーみんさん» ↑名前を変えました。元堕紀です。とても良かったです！やはりずーみん様の作品にははずれがないな……(≧▽≦) (2021年7月11日 11時) (レス) id: f93ac5a74a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：プラリネ | 作成日時：2020年11月26日 23時
