真実の愛は海の底に (ページ10)

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8話ページ10

エース「なあ、今、なんて？」

マブがいじめられていたなんて事を聞いて
放っておける訳が無い。

愛海「何回も言わせないでよ～！
だから、ちょ～っと虐められてただけだって。
それに、私には玻璃が居たしね！」

笑いながらそう言う愛海。
それでも、揺れる瞳は隠せない。
相当きつかったのだと察せられる。

リドル「愛海、辛いことを思い出させてすまないが
その話、もう少し聞かせてくれないかい？」

そう言い、俺たちの間に割り込むように
会話に入ってきたのはリドル寮長。

どうやら、俺らが密着していたのが
お気に召さなかったらしい。

愛海「うーん、別にいいですけど、玻璃には
ナイショにしてくださいね？」

そう言って語られたのは、愛海と監督生がまだ
元の世界にいた頃の話。

エース「はぁ～！？監督生を庇って愛海が
いじめられてた～！？」

ヘラヘラ笑う愛海の口から語られたのは壮絶な
いじめの内容。

無視や暴言は当たり前。
殴る蹴るもしょっちゅうだったなんて。

隣のリドル寮長なんて怒りで顔を赤くしている。
今にもオバブロしそう。

愛海「あと、もう一回言うけど、この事は玻璃には
ナイショにしてよね！」

元は監督生のせいと言っても過言ではないのに
それを内緒にすると言い張る愛海。

健気というか、なんと言うか。

エース「そういや、監督生いなくね？」

今頃気がついたが、監督生がいない。
愛海の誕生日パーティーなら当然来ると踏んでいたが
姿が見当たらない。

愛海「玻璃はバイトがあるんだって！
忙しそうだし、無理言っちゃ悪いよね、、。」

愛海は口ではそう言っているが
目は寂しいと語っている。

エース「アイツも真面目だよな～。
1日くらいバイト休めばいいのに。」

ま、俺らがいるから寂しがんなよ、とつけ加え
愛海の頭を撫でる。

ふわりと笑った顔に胸が高鳴って。

それでも、愛海にはフロイド先輩がいるのだ。
揺らいでは行けない相手。
そんな事は痛いほど分かってる。

俺も、リドル寮長も。