17話 ページ19
寄せては返す波と沈みゆく夕日。
今日が、最後の猶予の日。
きっと、
そう踏んでやって来たが、やっぱり当たりみたいだ。
崖っぷちに佇む人影を見て、予感は確信へと変わる。
玻璃「そんな所で何をしてるの?
エース、デュース?」
ビクッと肩を震わせ、振り返った二人。
やはり、彼の方は知っていたのだろう
このペンダントの呪いのとき方を。
玻璃「ねぇ、エース。今ここでアンタが死んだら
デュースにトラウマを植え付けることになる
本当にそれでいいの?」
そう叫べば、デュースの方は目を見開いた。
やっぱり、伝えていなかったのか。
エース「、、なんでばれちゃったわけ?」
一方エースは邪魔されたことを怒っているのか
ぶっきらぼうにこちらに向き直る。
玻璃「残念ながら、私の世界には真実の愛に関する
おとぎ話がいっぱいあってね。」
きっと、このペンダント、いいや、この世界全体が
その御伽によって、形作られているのだろう。
その事実に気がついてしまったらもう終わり。
きっと私は、ここに居られない。
世界の異物として排除されてしまう。
それなら、異物どうし仲良く消えてやろうと言うわけだ
玻璃「この事件は二人のせいじゃない。
不運が重なっただけだよ。」
まずは、穏便に話をつける方向で
エースにペンダントを渡してもらう。
それが最終目標。
デュース「違うんだ、監督生。
僕たち、知っていたんだ。あのペンダントのことを」
しかし、思いもよらない言葉に思わず声が漏れる。
エース「骨董屋の婆ちゃんに警告されてたんだよ。
愛は時には呪いとなって降りかかるって。」
玻璃「あぁ、、、なるほど。」
それで知っていたのか、呪いの解除方法を。
大方、エースが骨董屋に聞きにでも行ったのだろう。
でも、それをデュースは知らない。
玻璃「デュース!エースはこのペンダントの
呪いをとくために死のうとしてるんだよ。」
だから、それを利用する。
そう伝えれば、デュースはエースを止めようと
動くに決まっている。
取っ組みあっている二人に割り込んでエースを地面へ
投げ飛ばす。
玻璃「エース!アンタが死んだってねぇ、何も解決に
なんないんだよ!」
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:楪 | 作成日時:2022年4月30日 13時