太陽と月と星5【神谷浩史】

手でも繋いで。 ページ27

「……ですっ！付き合って下さいっ」

スタジオに向かう道で、浩史と見知らぬ顔の若い女の子が話している。
なんとなく、近付くことができずに様子を窺うと、告白されている様で。

神「え、あ、あぁ〜……ごめんね？俺結婚してるんだよ……？」

うわぁ浩史モッテモテ〜！なんて思ったのも束の間。少し怒った様な、それをごまかすために笑顔を作るような声で断っていた。
何でよ。可愛いよその子。顔見えないけど。

「っ……それでも好き、なんです」
神「ごめんね、俺はあいつ以外は好きにはなれないからさ。これから仕事でしょ？僕も引きずらないでしっかりやれるようにするからさ、乱さないでね？」

うわぁうちの人めっちゃカッコイイじゃんかよ。
はい、と小さい声でつぶやき、走り去って行く女の子。
結局顔分かんなかったなぁ……

『浩史ー、今日もよろしく〜』
神「ん、おう。なんか機嫌良さそうだね」
『んー、さっきね、好きになって良かったなぁって思う事があって』
神「……………あー、見てたの？」
『かっこよかったよ』

舌打ちをして早歩きになる所。
照れ屋だよなぁ浩史……

神「俺らが結婚してんの、知らない若い人もいるんだな」
『仕事の時は指輪つけてないからなぁ。おそろいの物でも増やす？』
神「いや、そういう事じゃなくね？」

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