幼馴染みVSロイヤル宮舘。 (ページ22)

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今まで、当日に結婚式の現場スタッフとして手伝いに駆り出された事はあったがアシスタントとしての仕事は私も始めてで、宮舘さんがいくら私より後から入社して『新人』という肩書きはあれど私もついこの前、入社したばかりなので宮舘さんと立場は何も変わらない。

というか、会社に入ったのは私が先でも宮舘さんのほうが既に仕事量に関しては私よりも消費量が半端ないのでむしろ私が宮舘さんに色々教えて貰ったほうがよいのではないか…と常に思う。

今日は、結婚式に出席する新郎新婦の親族ならびに友人、会社関係のリストを見ながら業者に依頼して会社には完成して送られてきた結婚式の招待状に不備、リスト名の抜け落ちなどないか宮舘さんと黙々とチェックをしている。

二人で、社内の事務所の端の目立たないテーブルに向かい合ってただ黙々とリストと招待状を眺めながらチェックを進めていると、沈黙のなかで突然「Aさんは、どうしてこの会社に入社しようと思ったんですか？」という声が耳に入ってきた。

「へ？」

さっきまでの沈黙の中でいきなり宮舘さんが質問してきたので私も思わず間抜けな声を出してしまった。

宮舘さんは私のその間抜けな声を聞いて一瞬頬を緩めたがパッといつもの真面目な表情にすぐ戻って私に「ふと気になったので聞いてみました。この質問ご迷惑でしたか…？」と言われたので「そんなことないですよ！」と即答したはいいけど…

私そんな自慢して話せるような理由でこの会社に入ったわけじゃないんだよなー…

嘘つくような素敵なエピソードも特に何も思い浮かばないのでここは正直に話すしかなさそう…

「何も面白くないですよ…？」

私は専門学校を卒業したはいいけれど在学して卒業ギリギリに就職を決めるよりも手っ取り早く就職を終えたくて仕方がなかった。

もともと夢があったわけじゃなく、学校案内のパンフレット内容に惹かれて入学を志望した専門学校に意外にもアッサリ受かってしまったはいいものの卒業後の進路となるとやはり難しい問題。私って何かなりたいものがあったか？と改めて考えても特に何も浮かばなかったのだ。

人の為になにかする仕事に就きたいとかそういう願望もなくて、ただ専門学校にたまたま求人募集が来ていた今いるこの会社に履歴書を送ったら即面接が決まり、面接を受けたらすんなり入社内定が決定しただけ。