lemon (ページ10)

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なぁ、あいつの話って聞いたことあるか？、そう神妙な顔つきで言ったのはドンヒョクだった。

Rj｢は？｣
Hc｢Aのこと、Aの口から聞いたことあるかって。｣
Rj｢どういうことだよ..Aに何かあったのかよ。｣
Hc｢聞いたことねぇから、あいつのこと自分から。｣

多分俺がいちばんAに近いから、ドンヒョクは聞いてきたんだと思う。けれど、俺だってあいつ自身の話は聞いたことがない。首を横に振れば秘密主義者なのかとか茶化すようにドンヒョクが笑った。

けれど、俺は全然笑えなかった。

｢..ロンジュン、どうしたの？｣

呑気に本のページを捲っているAにイライラする。Aが俺のことを知っているのは話したからだ、もっと俺のことを知って欲しくて仲良くなりたいと思ったから。

Rj｢なぁ、なんで話さねぇの。｣
｢..ドンヒョクに入れ知恵されたんだ。｣
Rj｢話逸らすな。｣
｢ドンヒョクにも言ったけど友達でいたいから話さないの。べらべら余計なこと話したくないもの。｣

本を静かに閉じてじっと俺を見てくるAは何処と無く泣きそうな顔をしてた、そんな顔させたいわけじゃないのに。

｢だから、話さない。それ以外のことは話すようにする、だから、ごめん..｣

耐えきれなかったのかつり上がった丸い目からぼろぼろと涙が零れる。

Rj｢..泣くなよ、俺まで泣きたくなるじゃん。｣

近いなんて、自惚れてたのが馬鹿みてぇじゃん。