125 心臓は早鐘のよう ページ25
．
「…なんで、知ってるの？」
絞り出した声は少し震えていた。
TH「ごめんね。
……俺、知ってたんだ」
申し訳なさそうに、とても寂しげに、私から視線を逸らしたテヒョン。
その表情から何かを察した心臓がバクバクとはやる。
．
TH「俺、ジョングクの気持ち知ってた」
ぽつりと吐き出された言葉。
耳を通過した低い、少し掠れた声。
眉間にしわを寄せて、とても辛そうな表情を浮かべるテヒョン。
「……え？」
それって、どういうこと…？
衝撃が大きすぎていまだについていけない。
ぐるんぐるんと色んな考えや感情が頭が回る。
TH「俺がヌナに好きだって初めて伝えた時、覚えてる？」
「…覚えてるよ」
忘れるはずもない。
メイク中に突然聞かれた「ヌナってジョングクのこと好きなの？」なんてセリフ。
どうして気付いたのかって尋ねた私に、「そんなの俺がヌナのことを好きだからだよ」と笑ったテヒョン。
あんな衝撃のダブルパンチを忘れるはずなんてない。
TH「もうあの時にはヌナの気持ちだけじゃなくて、ジョングクの気持ちにも気付いてた」
今度は真っ直ぐに私を見つめたテヒョン。
その瞳からは彼の感情が読めなくて、私の心臓の鼓動はまるで早鐘のよう。
テヒョンはその時には気付いていた。
それが意味すること。
グクはもうその時には私のことを好きでいてくれたなんて、知りたくなかった。
TH「……だから、ヌナが自分のことをずるいって思うなら、俺の方が何倍もずるくて最低だよ」
小さく笑ったテヒョンは、とても傷ついているように見えた。
「テヒョン…」
TH「…ごめんね。
俺が自分の気持ちを諦めて2人をくっつけてあげられてたら、ヌナがこんなに辛い思いをすることもなかったのに」
私から目を逸らして俯くと、ふわふわした髪の毛をくしゃっとかき混ぜる。
私の心臓はもう張り裂けてしまう寸前。
TH「………でも俺、初めてだったんだ」
ぽつり。
呟いた彼。
TH「こんなに誰かを好きになったのは、初めてだった」
ぽたり、ぽたり。
綺麗な三白眼から、小さな滴が伝う。
何も考えてなんかなかった。
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uk(プロフ) - 何度泣いたか分かりません・・・切ないです。。お休み中とのことでしたのでいつか公開されるのを待っています。素敵なお話をありがとうございます！ (2020年10月7日 22時) (
レス) id: 7eeed36c19 (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - hさん» hさんコメントありがとうございます！そんなに感情移入して頂いてるなんてこれ以上ないぐらい嬉しいです（ ; ; ）笑 拙い文章ですがそう言って頂けてもう涙涙です…決めてた結末に向けて頑張って書いていきますね！ありがとうございました(*^^*) (2020年6月3日 13時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - Kumiさん» Kumiさんいつもコメントありがとうございます！うわんなんて嬉しいお言葉…どっちとくっついても悔いがないなんて嬉しいです（ ; ; ）頑張って更新していきます！ (2020年6月3日 13時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - 夏さん» 夏さんいつもコメントありがとうございます(*^^*)不器用なグクに素直になってほしいものです…！次で完結ですので是非最後でお付き合い頂ければ嬉しいです！ (2020年6月3日 13時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - mgnさん» さすがすぎて何も言えませんが一言、愛してますとだけ伝えときます (2020年6月3日 13時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナノカ
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作成日時：2020年5月7日 12時
