124 全てを知っていたのに ページ24
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目の前のテヒョンと目が合う。
一昨日のことを思い出した。
テヒョンは優しく優しく、まるで宝物に触れるみたいに私に触れた。
今まで私にそうやって触れた人は誰もいなかったから正直戸惑ったりもした。
そんな風に触れてもらう資格なんて私にはないのに。
きっと自分の快感なんて後回しで、私のことを第一に考えて気遣ってくれていることも分かった。
目が合うたびに「Aヌナ」って嬉しそうに、どこか切なげに私の名前を呼んだテヒョン。
何回も何回も、まるで私がそこにいることを確かめるかのようにぎゅっと抱きしめて、キスをして。
私の中に入ると「ヌナ好きだよ、ほんとに好き」なんてうわ言みたいに呟きながら、少し余裕なさげに、まるでその腕の中に私を閉じ込めるかのように掻き抱いた。
本当に涙が出るくらいに幸せだった。
私のことを本当に好きでいてくれてることを実感するには充分すぎて。
そして、愛されてするその行為がどれだけ幸せなことだったかを思い出した気がした。
．
そんなことを思い出すと、余計にこの先を言いづらくて。
そもそもそれを言ってもいいのか分からない。
ゆらりと大きく揺れる三白眼に、下唇を軽く噛み締める姿。
「…区切りをつけて、テヒョンに向き合いたかった。
きっとテヒョンだけを好きになれると思った。
…………だけど昨日、」
言葉に詰まる。
それはただ自分のその時の気持ちを正直に伝えるのが怖いという理由。
そしてなにより、勝手にグクの気持ちをテヒョンに話してはいけないという思いから。
けれどこの話をしないと先には進めなくて。
どうしたらいいのか分からなくて黙り込んだ私に、その三白眼がさらに大きく揺れた気がした。
TH「……ジョングクに、」
彼の名前を出して、少しの間黙り込んだテヒョン。
TH「昨日ジョングクに好きだって言われた？」
心臓がどくんと大きく鼓動した。
どこか寂しげに、でもまるで全部を分かってるかのような、そんな悟った表情を浮かべるテヒョン。
どうして、知ってるの…
なぜか嫌に心臓の鼓動が早まる。
今の話の流れや言葉に詰まった私を見て、ただ単純にそう思ったのかもしれない。
けれど、なんだかそうじゃないような気がして。
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uk(プロフ) - 何度泣いたか分かりません・・・切ないです。。お休み中とのことでしたのでいつか公開されるのを待っています。素敵なお話をありがとうございます！ (2020年10月7日 22時) (
レス) id: 7eeed36c19 (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - hさん» hさんコメントありがとうございます！そんなに感情移入して頂いてるなんてこれ以上ないぐらい嬉しいです（ ; ; ）笑 拙い文章ですがそう言って頂けてもう涙涙です…決めてた結末に向けて頑張って書いていきますね！ありがとうございました(*^^*) (2020年6月3日 13時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - Kumiさん» Kumiさんいつもコメントありがとうございます！うわんなんて嬉しいお言葉…どっちとくっついても悔いがないなんて嬉しいです（ ; ; ）頑張って更新していきます！ (2020年6月3日 13時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - 夏さん» 夏さんいつもコメントありがとうございます(*^^*)不器用なグクに素直になってほしいものです…！次で完結ですので是非最後でお付き合い頂ければ嬉しいです！ (2020年6月3日 13時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
ナノカ(プロフ) - mgnさん» さすがすぎて何も言えませんが一言、愛してますとだけ伝えときます (2020年6月3日 13時) (レス) id: 59d638975a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ナノカ
| 作者ホームページ：
作成日時：2020年5月7日 12時
