彼女の手記 ページ8
Aを何故か敷いてあった布団に寝かせ、承太郎はじっとその寝顔を見る。
本当に生きているのかどうか不安になるほど彼女は動かない。
確認したところ脈はあったので、承太郎はほっと息を吐いた。
突然気絶したように眠るということは、体調不良や睡眠不足だろうという予測はできる。
いつかの入院時のように、また世話を焼くべきかと考えていると、一冊のノートが目に入った。
また勉強をしていたのだろうか。
確かにAは承太郎より頭が悪いが、その分覚えが早い。
受験までには追いついてくるだろうと承太郎は思っている。
いや、承太郎が追いつかせる勢いで勉強を教えているので、「確信している」が正しいのかもしれない。
それは同じ大学に行く為であり、卒業後も同じか、似たような仕事で常に一緒に行動できるようにしたいという思惑からであった。
ノートを取るために立とうとすると、少しだけ引き止められる感覚がある。
Aだった。
「起きちゃ･･････いねぇか」
掴まれている袖口から彼女の手をはがすのは容易い。
しかし、それは一般人にとってであり、承太郎にとっては違う。
どんなに力量差があろうとも、彼には彼女を拒絶することはできない。
それはヘブンズ・ドアのせいでも、増してや魂の一部が彼女の元にあるせいでもないことは、誰の目から見ても明らかであった。
承太郎は座り直すと、スタープラチナにノートを持ってこさせる。
ノートを見た瞬間、勉強をしていたという予想は外れたことを知った。
何の変哲もない無地の表紙に「何もわからなくなったら読むこと」と、彼女らしい字で書かれている。
その下にはかなりデフォルメされた承太郎らしき人物のイラストが描かれており、彼の頭が一瞬疑問符で埋め尽くされたのは言うまでもない。
「俺、か？」
答えがないのはわかっていても、言わずにはいられなかった。
Aの目にはこう写っているのかと思うと、なんとも言えない気持ちになる。
「A･･････？」
チラッと様子を伺うが、彼女はまだ起きそうにない。
表紙の文字からして、また記憶を失うことを危惧して書いたのだということはわかる。
わかるが、問題は何を書いているかだ。
何も無い状態の自分が見た時、誰とどういった関係だったかをわかりやすく示しているはずのノート。
気にならないはずがない。
悩むこと数十秒。
Aには悪いと思っているが、承太郎はノートを開くことにした。
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アーディ(プロフ) - くろねこ1227さん» まだ夢主ちゃんもふわっふわな時期でしたからねぇ……2人のすれ違いコントは結構楽しく書いてました。お気に召したなら何よりです！ (1月4日 1時) (
レス) @page15 id: 0218ed2c56 (このIDを非表示/違反報告)
くろねこ1227(プロフ) - 承太郎を心から頼りにしてる夢主ちゃんのノートのなんやかんやにフフッてなった。ガッツポーズする承太郎可愛いな！２人の固い絆を感じるとても好きなシーンです。 (1月4日 0時) (レス) @page9 id: 929310bb43 (このIDを非表示/違反報告)
奇妙な前髪(アーディ)(プロフ) - アオイさん» 一気ですか！読破お疲れ様です！途中でかなり路線変更したので違和感がなかったと言っていただけてありがたい限りです･･･！またしばらく間は開きそうですが、完全停止だけはしないつもりです。応援ありがとうございます。頑張りますね！ (2018年6月21日 6時) (レス) id: 48ec130d60 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - 一から一気に読みました！物語が違和感なく進んでいることや全員生存ルートが無理な形で入っていないところが素晴らしいと思います。ゆっくりで良いので更新頑張ってください!応援しています。 (2018年6月20日 16時) (レス) id: faa73ce9b0 (このIDを非表示/違反報告)
奇妙な前髪(アーディ)(プロフ) - まさか、その、えっと･･････そんな方がいらっしゃるとは思ってなくて･････たまに更新はしますね。頑張ります。ありがとうございます･････ (2018年4月29日 11時) (レス) id: 48ec130d60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奇妙な前髪 | 作成日時：2018年2月20日 20時
