64 ページ14
__________
_______
____
JK「姫様、後悔しませんか?」
「…するわけないでしょ。
ジョングクこそ後悔しない?」
JK「しないですよ。姫様がいなきゃ生きてる意味なんてないって言ったでしょ」
ジョングクと2人で生きていくと決めたあの日以来、私の心はとても澄んでいた。
きっと私が彼と一緒に城から逃げ出したらたくさんの追手がやってくるだろうし、それらから逃げ切れる可能性が0に近いことも捕まってしまったあとの私たちの未来も、全て分かっている。
けれど、私はきっとこうしたかったんだと思う。
ジョングク以外の男の人に私の人生を捧げるなんてできない。
例え未来が見えなくても、私はジョングクと一緒に生きていきたい
それが、例え僅かな時間だったのだとしても。
善は急げというけれど、私たちはそれを行動に移すのが本当に早かった。
最低限の荷物と持っているだけのお金、ひとまずどこを目指して逃げるのか、それだけ決めるとすぐに城を出た。
急がないと嫁ぐ日が近付けば近づく程に私の行動は制限されてしまうから。
城の警備は厳重だったけれど、幼い頃から城中で遊びまわっていた私と彼は城外への抜け道もたくさん知っていた。
稽古が嫌になってよくジョングクと一緒に城から抜け出したなあ…
そんなことを思い返して、私はこの城も姫様という身分も全て捨てて彼と生きることを決めたのだと初めて実感した。
「…ジョングク、ありがとうね」
JK「なにがですか?」
「私と一緒に生きることを選んでくれて」
JK「…それは、俺のセリフでしょ」
私たちはひとまず、なるべく城から離れた街に行こうと決めていた。
単純だけど、時間を稼ぐためにはなるべく遠くに行っておいた方がいいと思った。
それに、1つだけ私達にもあてがあった。
ジョングクの家族。
城からはだいぶ離れた田舎に住んでいた。
きっと、助けてくれる。
そう信じて私たちはそこを目指した。
.
.
.
2513人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ナノカ | 作者ホームページ:
作成日時:2020年3月31日 19時