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.Aside
卒業アルバムを見返しているうちに
少しずつ高校時代の記憶が戻ってきた
「…あっ……」
確かになんか、喋った事あるような気が
しなくも無い
だけど本当に大した関わりもないし
恨まれるような事を、した記憶もない
どうしよう、分からない
思い出したくない過去の事
だけどそれは私だけじゃなくて
私があの人に苦しめられたように
伊月先生もきっと私に苦しめられた
やった方は忘れちゃうけど
やられた方はずっと覚えてる
現実は非情だ
.
「伊月先生、喋った事あることは思い出しました。
私は一体何をしたんですか。それが思い出せない以上あなたに謝ることができないので、教えてくれませんか？」
伊月「そうですね。俺も何を謝って欲しいのか、自分で自分がわからないんですけどね。だって謝られても許せないんで。」
「じゃあ私にどうして欲しいんですか。」
伊月「じゃあ取り敢えず一回ヤってください。」
「…それは、できません。」
伊月「できるでしょ、だってあんなに嫌いだった赤司とできたんでしょ？」
「それは」
だってそれは、しょうがないじゃん
嫌いって言ってたのは私が、そういう性格で
どうしようもなかったから
ジリジリと詰め寄ってくる伊月先生が
だんだんあの人に見えてくる
何でだろ、何でかな
伊月「こうやって、首も絞められて」
「…やめて、本当に」
伊月「喜べよ、あの時も喜んでたじゃん」
わたしは首を絞められるとどうしても思い出す
あの頃の全て
頭を踏まれた時とリンクして
呼吸がうまくできなくなる
PTSDの一種だと思うけど
伊月「俺をこんな人間にしたお前のこと、絶対許さないよ、死ねよ。ずっと、殺したかったんだよ。」
「本当に…っ…死ぬよ…ころしたいなら…っはっ…続ければ…っ…」
伊月「何で…なんだよ、俺は好きだった…好きだった、だけなのに！なんで！！だったら俺に、あんな顔するなよ！！」
叫びながら
ぼろぼろ溢れ出す涙の意味が分からなくて
言ってることも分からない
泣き出したいのはこっちなのに
苦しくて、死にそうで
助けて欲しい、たすけて
いきが、できない
意識が今にも飛びそうだった私の目の前に
突然現れた、黄色
私の黄色
「きめえんだよ、お前が死ね。」
今まで見た事ない
あんな表情、知らない
男の子みたいに伊月先生を
思いっきり殴って
やっと冷静になった私が
涼太を、止めた
何だろう
どうしよう
わたし、好きだ
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作者名：黄瀬しか勝たん | 作成日時：2020年10月11日 4時
