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友達は、あのミーハー女は
つけていたんだと思う、私の事を
喧嘩を売った日からずっと
噂は
あっという間に校内に広がった
勿論、教員にも
赤司先生は自ら退職をした
[根も葉もない噂だが、立ってしまったことに問題があるので責任を持って辞職する]
多分1番賢い選択だと思う
さすがだ
残された私の事なんて何とも思わないのだろう
私は指定校を外されてしまった
当たり前だけど
全てが自業自得で
何もかも無くした私は
1つだけどうしてもやらなければならない事があった
何をしても許されない
だけど何もしないわけにはいかなかった
黛先生の目をあれから一回も見えていない
このままでは人間として駄目だと思った
許されなくてもいいから謝らなければと
黛先生に土下座をした
「本当にすみませんでした。」
黛「何を、してるの?あなたは」
「すみませんでした。」
言い訳なんて、何もない
浅はかで身勝手で
醜い私には
土下座しかもうする事ができない
しばらく沈黙が続いて
黛先生は静かに私の頭を踏みつけた
衝撃を受け止めきれなくて
呼吸がうまくできなかった
この人を
ここまで苦しめた私は
一体どれほど生きている価値があるんだろう
死ねばいいのに
だけど死んだらこの人をもっと深く傷つける
この人が一生背負う恨みは
私にはきっと一生分かってあげられない
黛「土下座したこと、一生、ゆるさない」
声が震えていた
私間違えたのかな
どこから?
そんなもの初めから
.
何もかも無くした私は
死ぬ気で受験勉強をして
第一志望の国公立へ受かった
一人暮らしを始めて
バイトと大学の毎日
過去の記憶を思い出すたび
自分を殺してしまうから
あの頃の私をどうにか正当化したかった
でもできるわけがないから
記憶を殺すことにした
教師になったことを黛先生はきっと知らない
知らなくていい
わたしは何を目指しているのか分からない
ただ幸せだった時の記憶にある
大切なあの人の言葉の全てを
それだけを頼りにギリギリのところで生きている
私は多分、これしかない
あの頃からずっと空っぽなまま
誰にも求められない空気人形
空気じゃなくて本物の愛情をくれたのは
きっと涼太だけ
あんなにも幸せな気持ちを知ってしまって
私は逃げることしかできなかった
私は絶対に幸せになってはいけない人間だから
おねがい
私の事なんて好きにならないで
綺麗なあなたを私には汚せない
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作者名:黄瀬しか勝たん | 作成日時:2020年10月11日 4時