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放課後、先生に委員会のことで呼び出されたヨンジュンくんを待っていた。
でも、教室でひとりでいるのが落ち着かなくてヨンジュンくんのかばんも手にして、職員室に向かっていたその時。
「…ぃっ、」
ぼーっとしていたからなのか、いつもならなんてことない小さな段差に躓いて思い切りコケてしまった。
擦れてしまった膝からは、血が滲んでいた。
YJ「…Aちゃん！？」
いつの間に戻ってきたのか、床に座り込んでいる私に駆け寄ってきたヨンジュンくん。私の膝を見て顔を歪めた。
YJ「保健室行こう。」
そのままヨンジュンくんに連れられてきた保健室。もう保健室の常連じゃん、なんて笑えもしないのに心の中で自分のことを笑った。
YJ「…これは、自分でした怪我だよね？」
「うん…ぼーっとしちゃってた。」
ヨンジュンくんは救急箱から消毒液を取り出して、手当てをしてくれた。そんな時にも、初めてジョングク先輩に会った日を思い出す自分がいて苦しかった。
…本当に怪我ばっかり、ボロボロだ私。
私のことを心配してくれるヨンジュンくんは、最近ずっとジョングク先輩にスア先輩のことを話した方がいいと言ってくれていた。
でも、それでも私は首を縦に振らなかった。
「……心配かけたくない。それに、私はジョングク先輩にとって邪魔な存在だから。」
今更打ち明けて、ジョングク先輩に心配をかけたくなかった。
YJ「……それは、スア先輩がそう言ったから？」
「…っ、」
YJ「Aちゃん。ジョングク先輩の気持ちは、ジョングク先輩にしか分からないよ。」
真剣な顔でそう言ってくれるヨンジュンくんの言葉も、ちゃんと分かってるつもり。
でも、例え嘘だとしても私はジョングク先輩に嫌いだと言った。そんな私が、またジョングク先輩と一緒にいるなんて最低だから。
YJ「Aちゃんが、スア先輩に傷付けられるのはおかしいよ。」
「……っ、…」
YJ「…Aちゃん、もう嘘ついたらダメだよ。」
ヨンジュンくんはそう言うと私の手を優しく引く。そのまま保健室を後にしても、手は繋がれたままだった。
いつも帰り道はいろんな話をしてくれるヨンジュンくんだけど、今日はずっと無言だった。
それでも繋がれた手が暖かくて優しくて、私のぐちゃぐちゃだった心がほんの少しだけ解かれた気がした。
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作者名：ぴぴ
| 作成日時：2020年5月23日 16時
