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「先輩、私…」
JK「…ん？」
私が話し出すと頬を撫でる手を止めて、優しく私の手を握ってくれる。その手に触れられると、なぜかすごく安心するの。
「…ジョングク先輩のこと、避けてごめんなさい。」
JK「…うん。」
「…メッセージも、無視してごめんなさい。」
JK「いいよ、Aの意思じゃないでしょ…？」
その言葉にコクンと頷けば、ジョングク先輩は安心したように笑うの。でも、まだ謝らなきゃいけないことがある。
「…ジョングク先輩、」
JK「なあに？」
「……きらい、なんて言ってごめ、なさいっ…」
そう口にした途端、また涙が溢れてきて制服のスカートを濡らしていく。
JK「わ、どうした…？」
「…っ、きらいなんて思ったこと…1回もないのにっ……」
JK「…ふふ、うん。分かってるよ。」
「…ごめ、なさい。」
JK「ん、もう謝らなくていいから。」
優しく頭に手を添えられるとそのままそっと引かれて、ジョングク先輩の胸に顔を埋める。
零れる涙がどんどんと先輩のシャツを濡らしていくのに、ジョングク先輩は離してくれなかった。
「……近づくなって言われて、先輩と話せなくなって、」
JK「うん…」
「っ…悲しくて、寂しくて……ずっとずっと、会いたかった、」
JK「…A、顔上げて。」
頭に添えられていた手が離されるけど、こんなボロボロに泣いて顔がぐちゃぐちゃになってるのに簡単に顔をあげられるわけがない。
JK「A、こっち向いて。」
「…っ、」
でも、ジョングク先輩が優しく名前を呼んでくれるから。そーっと顔をあげれば、先輩と思い切り目があってしまった。
JK「ふふ、泣きすぎ。」
「っ、だって…」
JK「俺もずっと、会いたかったよ。」
にっこりと笑うジョングク先輩に胸がぎゅーって締め付けられて、心の底からこの人のことが好きだと思った。
JK「…ねえ、ひとつだけ確認していい？」
「確認…？」
私の頭を撫でながら不安そうな顔をするジョングク先輩に、私は首を傾げる。
JK「……ヨンジュンと、付き合ってないよね？」
「…へ、」
JK「俺を避けてる間、ヨンジュンと一緒にいるの見かけてたから…」
ジョングク先輩のその言葉に私は大きく首を横に振った。
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作者名：ぴぴ
| 作成日時：2020年5月23日 16時
