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YJ「気をつけて帰ってね。」
「うん、ありがとう。」
今日も1日学校を終えて、教室でヨンジュンくんと別れる。今日も帰りはひとりぼっちだ。
教室から出ていくクラスメイト達の音を聞きながら、ぼーっと教科書をバックに詰めていく。
「…はあ。」
でも、その手は考え事のせいで自然と止まってしまう。気づけば教室に誰もいなくなってて、慌てて教科書を詰め込んだ。
「…ぁ、」
帰る支度も終えて椅子から立ち上がったその時。窓の外にジョングク先輩とジミン先輩を見つけた。
ジミン先輩がジョングク先輩の肩に腕を回して、わしゃわしゃとジョングク先輩の頭を撫でている。
「……ジョングク、先輩。」
ジミン先輩にされるがままのジョングク先輩は、スタスタと歩いて校舎を出て行く。
ぼーっとその姿を見ていたら、ジョングク先輩とジミン先輩に駆け寄っていく女の人が見えた。
ニコニコと笑うその人は…スア先輩だった。
「っ……」
慌てて先輩達の姿から目を逸らす。ニコニコと楽しそうに笑うスア先輩は、簡単にジョングク先輩の腕に自分の腕を絡めていた。
なんで、気づかなかったんだろ。
ジョングク先輩と話せなくて寂しかったのは、私だけだったんだ。
「……本当に、邪魔じゃん。」
スア先輩に大きな声で叫ばれた言葉を思い出す。
邪魔なんだよ、って消えて、って。本当にその通りだった。
「…も、なんでまたっ……」
泣きたくなんかないのに、また私の目から涙が零れる。早くジョングク先輩を忘れなきゃいけないのに、いつも頭に浮かぶのはジョングク先輩で。
どれだけ自分に言い聞かせても、頭から離れてくれなかった。
でも、こうやってジョングク先輩のことを考えるのも、涙を流すのも今日で最後にする。
大好きなジョングク先輩の邪魔にはなりたくない。
「……っ、好きだよ…ジョングク先輩、」
たとえ振られたとしても、せめて本人に伝えたかったな。
ポツリと零れた言葉は、静かな教室に消えていった。
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作者名：ぴぴ
| 作成日時：2020年5月23日 16時
