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すてきなもののはなし ページ27

みならいさんがきた

とてもきれいな女の人

おじいちゃんは

「椿さんは飲み込みが早いね、えらいねえ」

っていってた

おじいちゃんはあまり人をほめないから、すごいひとなんだろな

でも、そのみならいさんは、つくったり、なおしたりするのがにがてだったみたい


「理解はできているから、あとは練習だけだよ。頑張りなさい」

おじいちゃんは、にこにこわらってはげましていた

みならいさんはなきそうだった


くんれんのあいだに、おやすみしてるとき
そういえば…というふうに、おじいちゃんがいった


「…君、歴史を守る理由はあるかな」


休憩中の、お話のつもりだったんだろうけど

みならいさんは、きゅっ、と手を握って言った

「…まだ、わからないんです。…失礼します」

そう言って、行っちゃった

おじいちゃんは

「…そういうことか、なるほどねえ…そこで落ちたらあの子はそこまで、ってことか…さらわれないと、いいねえ…」

そういうだけ


なんでおいかけないんだろう。すごくつらそうなのに


走りだしながら叫ぶ

「待って!!!」


やっぱり、池のなかにいた


「待って!いっちゃだめだよ!」

「なによ、なんでよ…私の邪魔を、しないでよ…」

「だって、ないてる。だめだよ、いまいったら…さらわれちゃうよ」

おじいちゃんのいう通り、さらわれてしまう

「こっち!そっちはだめだよ、さびしいよ。おねーさん、だめだよ、しんじゃうよ」

「別に、いいわよ…」

「…なんで、ないてるの」

何もいわない

「悲しいの?」

「痛いの?」

それとも

「…さびしい、の?」

「寂しいんだったら、これあげる」

白い、椿

「においないけど、きれい」

歌仙がいってたよ

「…ありがとう」

「そうそう、白ってね!いろんな光をまぜてできるんだって!」

陸奥がいってた

「…よく知ってるのね」

「すごい?」

「ええ」

「いろーんな色をまぜこぜにしてもさいごはきれいな真っ白なんだね!すごいよね!白」

これは、かしゅーと切国がいってた

「そう…」

「すてきな花とすてきな色だから、さびしくないよ」

いっしょにおるすばんの時、はっちが言ってた

「真作となら、寂しくないだろう?」って

すてきなものといっしょなら。っていみなんだってさ


「…ありがとう」

泣きながら、みならいさんは言った



しばらくして、みならいさんはいなくなった。

「ひとりだち」したらしい

さいしょの仲間ははっちにしたんだって

また、会いたいな

25→←白い椿の話



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作者名:シャボン玉 | 作成日時:2019年9月22日 17時

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