【黄瀬涼太】私を助け出してよ…

Story29 ページ33

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『うっそ…来たよ…』
『この人殺し』
『家で大人しくしてろよ』
『顔も見たくない』
『やだ怖い……」






A「…………」


まぁ…想定してたとおり。
学校の門を通った途端にこれだった。



A「…人殺し…ねえ」



死んでないのに。しかも私じゃないのに。







人間っていう生き物は、傷ついてる側の意見をやたらと信じたがる。

傷ついてる人を救ったヒーローになりたいから……これが主だろう。






女1「……ひっ…」


教室に行く途中の階段。あいつがいた。



A「…あれ、おはよう○○さん。今日は私のこと殴んなくていいの？」

女2「ちょっと近寄んないでよ！○○ちゃん怖がってるじゃん！」

A「あーごめんね？人殺しでも何でもない私が怖いとは思わなかったや」

女3「…何言ってんのよ…！こんな怪我負わせといて！」


名演技だなこいつら。女優になれるんじゃないの。





A「そうかもね。私は人殺しかもしれない……なら私を殺したら？」

女2「頭狂ってんじゃないの…？」

A「…人殺しの脳内はこんなもんじゃない？」



そうだ、もういっそ嫌われてしまえばいい。
そうすれば……皆私から離れていく。
不幸になる人間もいなくなるんじゃないか。





A「………さて」







教室にはどんな地獄が待ってるかな。

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