【黄瀬涼太】私を助け出してよ…

Story18 ページ21

女3「あんたさぁ…調子乗ってない？」

空き教室に入れられるなりそれだった。だいたい検討はついていたけれど。


女4「ちょっと黄瀬くんと話せたからって調子乗ってんじゃないわよ！しかも悠吏くんも独占して！」

A(うるさいなぁ……耳キンキンする…)


黄瀬君と話せたのは別に本意じゃない。調子にも乗ってない。
ついでにいうと悠吏はただの腐れ縁。


A「……殴るなら早く殴ればいいじゃん。6限目始まるから早くして」

朝と放課後以外に殴られるのは始めてだ。
授業どうしようか…？


女5「殴って欲しいのぉ？うっわー自意識過剰〜」

耳腐ってんのかな？そんなこといつ言った？耳鼻科いけ。


女3「でも残念〜！今日はそんなに楽には帰れないよ？」

女2「仲間に消えてもらわなきゃねぇ？(ニヤ」

そういうと、女の1人がカッターナイフを取り出した。



あぁなるほど…殴るだけじゃすまないってこういうことか。

あれで刺されたら痛いだろうなぁ……死ぬんじゃないかな…











A「………………え？」

刺されると思っていた私は、思わず驚きの声を出した。



目の前の女が自分の腕にカッターナイフを刺したからだ。





女1「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！」

女2「う…わぁぁぁ！○○⁉」

A「………っ…⁉」

やられるのは慣れているのに、見るのは慣れていなかった。
足に力が入らなくなって膝から崩れる。




先生「どうした⁉」


悲鳴を聞いたのか先生が教室に入ってきた。

女1「うぅっ……Aちゃんが私をカッターで刺してぇ……」

A「え、ちがっ…」

尋常じゃないくらい血がでている。
見てるだけで倒れそうだった。



【Aちゃんが刺したの…？】
【え…やだ怖い…】
【そんな人だったんだ…】




嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ。やめてよもう……
傷つけられるのはいいけど裏切られるのは嫌だよ…


悠吏「A⁉」

人1「なんかAちゃんが○○ちゃんのこと刺したんだって…」

桜「刺した…？」

悠吏と桜が近くに来たのがわかった。



A「違う……私はやってな…！」

うまく表情が作れない。私は今どんな顔をしているんだろうか。





A「誰か助けてよ………」

血の見すぎなのか、いっぺんに色んなことが起こりすぎて頭がいっぱいなのかわからないが、急に頭が痛くなり目の前が眩んだ。

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