韓国人のBoyfriend【JK】2

58話 ページ8

寮の二段ベッドは狭いんだ。




ジョングク君のベッドも私と同じで下の方。


上がよかったけど、ルームメイトとのじゃんけんに負けたって、前話してた。




私も同じ。
ジスにじゃんけんで負けて、
ずっと二段ベッドの下で寝てる。





今、私の目線の上にはジョングク君がいて、
起き上がれば上のベッドに当たりそう。





触れるだけのキスは、
いつもより早く深くなっていく。



高鳴る心臓の音はいつも通りだけど、
ずっと握られてる手が暖かくて安心もする。






彼が首筋に顔を近づけたと同時に
タイミングよく下に置いてた私の携帯が鳴った。



現実に引き戻されるような気分でチラッと目線を移すと、画面に表示された
“ジス”の文字。



ジスは、Aは結局は怖じ気づいて帰ってきそう！
なんて言ってたから、

夜中になっても帰ってこない私を心配した親友は、きっと、いてもたってもいられず電話をかけてくれたんだ。






『ルームメイト？』


「うん、」


『出る？』


「後でかけ直す」






真っ暗にした部屋に目が慣れたのか、
ジョングク君の表情がはっきりと見える。






ジス、ごめんね？
心配してかけてくれたのに。


でも、もう大丈夫。



私は今、ようやく怖さから解放されて、
好きな人とこんな風に向き合えるようになっている。






私はジョングク君が堪らなく好きだ。




この気持ちは、
例えジョングク君を昔から知ってるボラさんにも
負けたりしない。






私の身体に顔を埋める綺麗な顔。
この感情を表現する言葉を、日本語でも私は知らない。






少し痛くて、
でも幸せで、

彼の脇腹にあるタトゥーを初めて見て、
私はそれに指でそっと触れて、


「もう二度と他の女の子に見せてほしくない」


なんてワガママな事を呟いた。



『うん、
Aちゃん以外に見せない、』






私の世界は、一気にきらきら眩しくなって、
この世の幸せ全てを手に入れた、
そんな気分になる夜だった。

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