6.先輩の気持ちがわからない ページ6
ym.side
待っててくれると思うけど、ドタキャンされたらどうしようとか思っちゃう。
中島「あのさ、そんなに惹かれる先輩なの?」
知念「僕もあったことないし、噂も聞いたことないよ。」
岡本「本当は妄想だったりして、」
山田『それはひどくない!?』
岡本「ww。冗談だよ。」
なんでこの3人に相談しちゃったんだろう。
相談相手を間違えたな。
知念「何でもいいけど、まだ行かないの?」
山田『だってまだチャイム鳴ってないでしょ。』
中島「さっき鳴ってたよ。」
山田『マジで!?早く言ってよ!』
帰りの会が早く終わったから相談してただけなのに。
チャイム鳴るのを待ってただけなのに。もっと早く言ってよ。
ガラガラ
山田『ハァハァせん、ぱい。』
伊野尾「っ!?」(そんなに急いでくる必要ないのに。)
山田『早く会いたくて、急いできちゃった。』
伊野尾「・・・」(何がしたいんだよ。)
やっぱり嫌われてる。
もう迷ってるだけ無駄だな。どうせ答えわかってるし。
山田『直球に言います。好きです、付き合ってください!』
伊野尾「?」(こいつ頭悪いの?)
山田『髪ぼさぼさで、話せなくて、なんでかここにずっといる先輩が好きです!』
伊野尾「・・・」
答えから言うとやっぱりノーだった。
ただ、メモ帳にはこうやって書いていた。
“ごめんなさい。俺は山田といたらダメだから付き合えません。”
山田『なんで、ダメなの?』
“釣り合わない。”
山田『先輩も可愛いしかっこいいんじゃない?』
“そんなことない。話せない理由もわからないくせにそういうこと言うな。”
先輩は書いているときずっと心の中で謝っていた。
誰に謝っているのかわからなかった。俺に謝っていたんだろうか。
山田『先輩はさ、一文字ずつでも話せないの?』
伊野尾「・・・」“できても山田には話さない”
結局わからなかったけど優しいことだけは伝わってきた。
心の声は正直でその人の本音が漏れたりするから聞きたくない声の人もいる。
でも先輩はむしろ聞きたくなるような優しい声がする。
山田『ひどい。一回やってみてよ。』
伊野尾「、、っ、ぁ、、、」(やっぱり無理だ。もう声の出し方もわかんないよ。)
声の出し方がわからないっていったい何年話せてないんだろう。
話せるようになってほしい。本当の声が聞きたい。
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作者名:百折不撓(ひゃくせつふとう) x他1人 | 作成日時:2023年1月29日 16時