【文スト】N極の君とS極の私【中原中也】

きゅう ページ10

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そうこうしているうちに、うちの部隊の奴らが住んでいるマンションに到着した。

後部座席に座っている二人は、睨み合いから口喧嘩が始まり、今は最早貶し合いにまで発展している。


『ねー君たち、もう着いたんだけど。さっさと降りてくれない？』

「大体手前は毎度毎度…＿＿！」
「背は小さいくせに……＿＿！！」


少しも耳を傾けない二人に呆れ始めた頃、ららちゃんが隊員全員を降ろし終わった。

「あの二人、どうしますか？」
『もうあのままでいいんじゃない？』
「良い訳ないでしょ…。どうにかして下さいよ。」

ららちゃんが疲れたという顔で訴えてくるので仕方なく異能力を使う。

＿＿＿＿＿『黒い星屑』


中原中也くんのおでこをN極、太宰治くんのおでこをS極にして、結構な磁力でぶつけさせる。

ゴチン、と鈍い音がしてから一拍。おでこを抑えた二人が一斉に此方を向く。


『わお。タイミングぴったり。若しかして君たち、喧嘩するほどなんとやら、ってやつ？』
「「仲良くねェ!!/ない!!」」

『あはは。』


二人の抗議を聞き流して、歩き出す。ららちゃんが降ろした隊員の奴らを異能力で一つに固めて運ぶ。

エントランスに入っていくと、ひとりの軽薄そうな男が受付に座っている。

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