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古い家 ページ8

カラン


冷たい。

冷たいものが、額に当たっている。

はじめはぼうっとしていた意識が、次第に戻ってくる。

視界が段々まともなものになって行き、それと同時に心配そうにこちらを覗く少女の姿がみえてきた。

「あ、目を覚ましたんですね!待っててください、お茶いれてきますから。」

たたたっと少女は走って行き、見えなくなった。

「痛っ…なんだここ。」

目を覚ますと、俺は何処かの家にいるようだった。


見たところ、自分達が住むような家とは全然違い、昔の時代の家のようだった。

そういう趣味なのか?ここの家の人は?

そんなことを思いながらも、エフィルは体に負担をかけないようにゆっくり起き上がった。

起き上がると、寝転がってては見えなかった風景が、見えるようになった。


「凄い、家だな。」

驚いた。

古い家のマニアだったにしても、凄すぎる。

本当に昔の家にいるようだった。

今の自分達が使いような家具は一切なく、代わりに何処かで見たことあるような、昔の家具があった。


…待て。何処かで見たことあるぞ、この部屋。

家の風景はみたことはないが、家具や部屋の配列、形などは見たことがある。

どこだ。

「…思い出せねえ。」

喉の手前まででかかってるのに。

出てこないもどかしさに、自分にかけられた布団の裾をギュッと掴む。


「持ってきましたよ。侵入者さん。」


先ほどの少女も戻ってきた。

侵入者さん、なんてのはとりあえず置いといて、

…こいつも見たことがある。

どこだ?
確か、この部屋と同じところで見たような気がするぞ。

どこだ?

少女が、「侵入者さん」と呼ぶあたり、向こうはこちらの事を知らないのだろう。

どこなんだ?


「…侵入者さん。なんか悩んでいるの?悩むのは後にして、今は落ち着きましょう。」

「あ、ああ。」

手渡されたお茶は、やはり自分の周りのものとは違っていた。

いろいろ考えていたせいか、少しぬるく、それでも美味しかった。

…おや、体が痺れてきた。

どういう事だ?




「さて、何故あそこにいたのか説明してもらおうか、侵入者さん。」


どうやら、お茶には薬が入っていたようだ。

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四夜(本物) - 完全に黒歴史で恥ずかしい、うらつく頼むからログインさせて (2019年7月23日 21時) (レス) id: dfaad9320b (このIDを非表示/違反報告)
妙子(プロフ) - 四夜さん» 冷静な分析出来る子なのに、大事な場面で音出しちゃうって可愛い存在だよねクモノコ♪ (2014年7月16日 8時) (レス) id: 30085790ce (このIDを非表示/違反報告)
四夜(プロフ) - 続編続きました。これからもよろしくお願いします。 (2014年7月9日 15時) (レス) id: 052d738e23 (このIDを非表示/違反報告)
四夜(プロフ) - 妙子さん» 普通、トリップを実際にしたらもっと混乱しそうですけどね…クモノコは私のお気に入りですw (2014年6月19日 15時) (レス) id: 052d738e23 (このIDを非表示/違反報告)
妙子(プロフ) - お互いに疑問があり過ぎて不安が勝つ(・_・;)クモノコが導いてくれるといいけどね (2014年6月19日 8時) (レス) id: 30085790ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:四夜 | 作成日時:2013年12月4日 16時

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