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材質 ページ36

「ん、これは…」

地面に散らばっている葉々を掻き分けると、手に硬い感触の物が当たった。
明らかに自然の物の感触ではない。

期待を胸に秘め、手探りでその正体を探す。
カタン、となった場所を手で撫でると、硬く、冷たい物がそこにはあった。

まるで、金属のような。

「これか!」

がしっと掴み、それを持ち上げる。
金属特有の輝きが、目に映る。

大きさは、両掌に収まる程度。
破片というよりは、部品に近かった。



只、そんな大きさとか形とかはどうでも良かった。
Aが真っ先に目を奪われたのは、その材質。

金属っぽかったが、見たことない材質。

鉄でも銅でも、アルミニウムでも銀でもない。
謎と呼ぶに相応しいもの。

手の上で転がして見ると、物体が角度を変える度に色が変わって見える。
銀、金、藍、朱。


「綺麗…」

決して錆び付いたりしているのではなく、この物質特有の物のようだ。
それは、自分が今まで見た中で一番綺麗で。


そっと部品を指でなぞる。
気持ちが良い。

例えるなら…赤子の肌か。
硬いはずなのに、柔らかさを感じる。

何を言ってるんだお前は、と思うかもしれないが、本当にそんな感じ。
あまりにも想像の範囲を超えていて、表現をしようがない。


「エフィルの、世界の物なのかな…」

そっと両手に包み込み、大事な物を運ぶように、ゆっくりと立ち上がる。
そして、5m位後ろで探し物をするエフィルに声をかける。

「エフィル!これのことかしら?」

エフィルは瞬時に振り返り、目を見開いた。


「ああ!それだ!」

恐ろしいスピードでAに駆け寄り、Aの手を覗き込む。
ホッとした様な表情で笑う。

「やっぱりこれだ。見間違いなんかじゃ無かった、やっぱりこの事だったんだ!」


「それで、これは何なのかしら?」

手を開き、まじまじと部品を見つめる。
やはり綺麗だ。

日の光を浴びて輝く姿は、本当綺麗。



すると、急にエフィルは真面目な顔になった。
まるで、核心に迫られたような。


「それを説明するのには時間がかかる。家に帰ってからだ。」

それだけ言うと、エフィルは家の方へと歩き始めた。

エフィルが急に真剣になり、そのギャップに驚きながらもAは彼の後を追った。

色の変化→←望みは



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四夜(本物) - 完全に黒歴史で恥ずかしい、うらつく頼むからログインさせて (2019年7月23日 21時) (レス) id: dfaad9320b (このIDを非表示/違反報告)
妙子(プロフ) - 四夜さん» 冷静な分析出来る子なのに、大事な場面で音出しちゃうって可愛い存在だよねクモノコ♪ (2014年7月16日 8時) (レス) id: 30085790ce (このIDを非表示/違反報告)
四夜(プロフ) - 続編続きました。これからもよろしくお願いします。 (2014年7月9日 15時) (レス) id: 052d738e23 (このIDを非表示/違反報告)
四夜(プロフ) - 妙子さん» 普通、トリップを実際にしたらもっと混乱しそうですけどね…クモノコは私のお気に入りですw (2014年6月19日 15時) (レス) id: 052d738e23 (このIDを非表示/違反報告)
妙子(プロフ) - お互いに疑問があり過ぎて不安が勝つ(・_・;)クモノコが導いてくれるといいけどね (2014年6月19日 8時) (レス) id: 30085790ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:四夜 | 作成日時:2013年12月4日 16時

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