友人 ページ4
「おお!なんか押し入れから出てきたぞ?『幼稚園の時の絵』。なんじゃそりゃあ!」
今、俺は友人のキリとゲームをしている。
やっているゲームは勿論『人生』。
「おう、エフィル。お前、今なにやってるんだ?」
「勉強やらせているんだが、こいつ嫌がってな。勉強始めて10分も経ってねえぞ?」
「あはは、おもしれえな、ソイツ。何才まで進めた?」
「今は14だ。遅生まれでな、受験が終わったら15になる。」
俺はもう16まで進めたぜ、と自慢げに言う友人を尻目に、ゲームをプレイする。
「おい、エフィル!俺の主人公って整理が苦手らしく、押し入れから『幼稚園の時の絵』がいっぱい出てくるんだが。どうなってんの?」
知らねーよ。
というか、幼稚園の時の絵ってなんだよ。
「おお!なんか、『小学生の時の粘土細工』っていうのも出てきたぞ!なんじゃこりゃ!」
「お前の主人公って本当に整理下手くそだな。」
「ああ!お母さんに『整理しなさい!』って怒られた!印象メーターが少し下がっちゃったよ!」
騒がしい。
…まあ、こんな騒がしい友人だが、なんだかんだでいい奴ではある。
時は経ち、夕方。
「エフィル!また明日な!」
「おう、キリ。ああ、やっぱり明日は無理だな。」
「なんでだよ。また、例の《秘密基地》にでも行くのか?」
「ああ、ちょっと行きたくなってな。」
「なあ、もうそろそろ秘密基地の場所教えろや!俺も行きたいからよ!」
秘密基地のいちは、まだ誰にも教えていない。
誰にでも教えたら、秘密基地ではないし。
「…空にある、とだけ言っておこう。」
「空?空中建築物の一種か?よし、見つけてやる!」
「そいつはな、大きな雷雲に囲まれていて、目では見つからないからな。そう簡単にはみつからないぞ。」
「じゃあなんでお前は見つけられたんだ?」
「ああ、適当に飛んでたら見つかった。」
「ずるいぞ、このっ、このっ。」
キリが羨ましそうにちょっかいを出してくる。
それを無言で全部防いだら、尚一層羨ましそうにしてきた。
「じゃあな、エフィル!明後日な!」
「おう、キリ。又な。」
バカみたいに明るいやつだが、俺はこの友人を心から信頼している。
今、最も信頼出来る人なのである。
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四夜(本物) - 完全に黒歴史で恥ずかしい、うらつく頼むからログインさせて (2019年7月23日 21時) (レス) id: dfaad9320b (このIDを非表示/違反報告)
妙子(プロフ) - 四夜さん» 冷静な分析出来る子なのに、大事な場面で音出しちゃうって可愛い存在だよねクモノコ♪ (2014年7月16日 8時) (レス) id: 30085790ce (このIDを非表示/違反報告)
四夜(プロフ) - 続編続きました。これからもよろしくお願いします。 (2014年7月9日 15時) (レス) id: 052d738e23 (このIDを非表示/違反報告)
四夜(プロフ) - 妙子さん» 普通、トリップを実際にしたらもっと混乱しそうですけどね…クモノコは私のお気に入りですw (2014年6月19日 15時) (レス) id: 052d738e23 (このIDを非表示/違反報告)
妙子(プロフ) - お互いに疑問があり過ぎて不安が勝つ(・_・;)クモノコが導いてくれるといいけどね (2014年6月19日 8時) (レス) id: 30085790ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:四夜 | 作成日時:2013年12月4日 16時