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恐怖 ページ15

「っ!うぁぁ!」

ピチュン、ピチュン。

空で鳥のなく声が聞こえた。
部屋には朝日が入り込み、非常に眩しい。


ただ、今はそれが気にならない程焦っていた。

部屋を見渡せば、目に入るのは白い壁、白いドア、近くの寝室用電灯。
そして、今寝ていたベッド。

そのベッドが、花柄で自分のものではない。

そう確認した瞬間、昨日の事を思い出した。
ゲームの世界にトリップしたことを。


途端に、背筋に悪寒が走る。

「夢じゃ、なかった…」

あれは、現実だった。

一時で終わるような生易しい夢では無かったのだ。


迫り来る恐怖に、布団をギュッと掴む。
汗を沢山かいていたが、そんな事は気がつかない。

「俺は、これからどうしたら…」

先の見えない恐怖。

それがエフィルを縛り上げる。

ゾクリと、背後に気配がする。


「っ!!!」

振り向いたが、そこには誰もいない。
余程挙動不審になっているのだろう。

息が苦しくなってきた。

「はぁ、はぁ…」

無意識に心臓に手を当て、鼓動があるのを確認する。
だいぶ鼓動が早くなっている。

(落ち着け、落ち着け。)

ひたすら落ち着かせようとする。
が、寧ろ早くなっていっている。

エフィルは再び、ベッドに倒れこんだ。

額に腕を当てると、熱があるのが分かる。

(風邪か?)

向こうの世界では、風邪なんてかからないように、殺菌消毒が常にされている。
だから、風邪の症状は分かっても、なったことはない。

「ガッはぁ…」

声がしゃがれて上手く発音出来ない。

次第にぼんやりと視界が霞んできた。


それにつられ、意識も遠のいて行く。


不意に、足音が聞こえる。

誰だろう、と思う間も無くエフィルは意識を手放した。

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四夜(本物) - 完全に黒歴史で恥ずかしい、うらつく頼むからログインさせて (2019年7月23日 21時) (レス) id: dfaad9320b (このIDを非表示/違反報告)
妙子(プロフ) - 四夜さん» 冷静な分析出来る子なのに、大事な場面で音出しちゃうって可愛い存在だよねクモノコ♪ (2014年7月16日 8時) (レス) id: 30085790ce (このIDを非表示/違反報告)
四夜(プロフ) - 続編続きました。これからもよろしくお願いします。 (2014年7月9日 15時) (レス) id: 052d738e23 (このIDを非表示/違反報告)
四夜(プロフ) - 妙子さん» 普通、トリップを実際にしたらもっと混乱しそうですけどね…クモノコは私のお気に入りですw (2014年6月19日 15時) (レス) id: 052d738e23 (このIDを非表示/違反報告)
妙子(プロフ) - お互いに疑問があり過ぎて不安が勝つ(・_・;)クモノコが導いてくれるといいけどね (2014年6月19日 8時) (レス) id: 30085790ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:四夜 | 作成日時:2013年12月4日 16時

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