お味噌汁 ページ13
「その味噌汁、何か入ってるんじゃねえだろうな。」
「そんなに酷いこと、私したかしら。」
冗談じゃない。
折角もてなそうとして作ったのに、なんで疑われなければいけないのよ。
「ああ!待て、下げるな!お腹が減っているんだ!」
「はいはい。」
親がここにいれば、「ハイは一回!」とか言うんだろうが、生憎ここにそんな事を言ってくれる人はいない。
溜息を再びついて、味噌汁を差し出す。
もう一つを、自分の方へと持っていった。
美味しく出来てるだろうか。
少し、口に含んでみる。
…うん、美味しくできてるな。
やっぱり、お隣さんのサトイモは美味しいな。
味噌汁に入れるとトロトロして、甘みが出る。
自分の作った味噌汁に酔いしれていると、隣から声がした。
「あれ、変わってんな。この味噌汁。」
…どういう意味だろうか。
単純に美味いという意味か、それとも…
「不味いって言いたいの?」
「いや、そう言う意味じゃない。ただ、俺の世界の味噌汁と違うなあって…」
…ああ、そういうことか。
てっきり私は不味いってことかと…
「まあ、中々旨いな。この味噌汁。」
彼の言葉に、思わず顔を二度見する。
「いやあ、俺のとこは全部機械が作ってくれていたからさ。そりゃあそっちのほうが味としてはいいんだが。こっちのは、また違った旨さがあるな。」
割と、料理を褒めて貰えるのは素直にうれしい。
ちょっと顔がにやけてしまった。
それを隠すために、少しそっぽを向く。
そんな私を見たのか、彼がにやりとしてこちらを覗き込む。
「おー、照れ隠しか?」
思いっきり、彼の顔を叩いた。
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四夜(本物) - 完全に黒歴史で恥ずかしい、うらつく頼むからログインさせて (2019年7月23日 21時) (レス) id: dfaad9320b (このIDを非表示/違反報告)
妙子(プロフ) - 四夜さん» 冷静な分析出来る子なのに、大事な場面で音出しちゃうって可愛い存在だよねクモノコ♪ (2014年7月16日 8時) (レス) id: 30085790ce (このIDを非表示/違反報告)
四夜(プロフ) - 続編続きました。これからもよろしくお願いします。 (2014年7月9日 15時) (レス) id: 052d738e23 (このIDを非表示/違反報告)
四夜(プロフ) - 妙子さん» 普通、トリップを実際にしたらもっと混乱しそうですけどね…クモノコは私のお気に入りですw (2014年6月19日 15時) (レス) id: 052d738e23 (このIDを非表示/違反報告)
妙子(プロフ) - お互いに疑問があり過ぎて不安が勝つ(・_・;)クモノコが導いてくれるといいけどね (2014年6月19日 8時) (レス) id: 30085790ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:四夜 | 作成日時:2013年12月4日 16時