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「…林藤さん。お付き合いしていたAさんと、結婚することになりました。彼女の両親にもご快諾してもらえました。…母さんと、最上さんにも、報告に、行きました。」
ゆっくり目を伏せた林藤さんは、ひとことひとことを噛みしめる様に頷く。食い入る様な周りの視線もそのままに、悠一は再び口を開いた。
「俺の一生をかけて、彼女を絶対、幸せにします。俺をずっと育ててきてくれた、見守ってきてくれた林藤さんにも、認めて頂きたくて、話に来ました。…よろしく、お願いします。」
じっと悠一を見た林藤さんは、流れる様に緩やかに、私をみつめてくれる。
「迅、顔上げろ。…Aちゃん、ご両親は、喜んでたかい？」
「…はい。悠一さんが挨拶に来て下さり、私の両親も快諾し喜んでおります。…未熟ではありますが、悠一さんと協力して、温かい家庭を築いていきたいと思っています。…どうぞ、よろしくお願い致します。」
きらりと光った眼鏡の奥。まるで自分の子供を見てくれている様な温もりに胸が一杯になって、流れる様に言葉が滑り出た。
あんなに騒いでいた心臓は落ち着き、温かい毛布に包まれている様な気分だった。
固唾をのんで見守る周りを気にもせず、うん、うん。とゆったり頷いてくれる林藤さん。
「Aちゃん。数えきれない程、色んな体験をしたと思う。普通の男と違って色々難しい奴だから、一緒にいるのに困ったり不安になったり、接し方の正解が分からなかったり。それでもAちゃんが迅と向き合ったから、今もこうして隣でこいつは生きてる。これからもずっと、傍にいてやってくれ。」
「はい…ｯ！」
アルバムをひとつずつ捲っていくように、それは物語を語る様に、緩やかで心地の良い声だった。ひとつひとつの言葉が大事で胸に深く落ちていく。
「迅。」
静かな声に、見つめていた彼が小さく、はい。と返事をする。
「未来だけじゃなくて、今も全てを視てるお前はかっこいいよ。こんなに良い子、絶対離すんじゃねぇぞ。命かけて幸せにしろ。…分かったな？」
「ｯ…了解、支部長。」
得意げに、眉をちょいとあげてみせる林藤さん。潤んだ彼の声で、張りつめていた空気が弾けるように解ける。
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み(プロフ) - おもちさん» 長いお話にも関わらず楽しんで頂けてとっても嬉しいです💕暖かなコメントありがとうございます😍 (2022年7月21日 8時) (
レス) id: aaa9f51a75 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 1杯目から読ませていただいたんですが、めちゃくちゃ好きです、この作品。迅さんパパ最高…！！なんか語彙力低下中ですが本当に好きです！迅さん夫婦、幸せに！ (2022年7月20日 18時) (レス) @page7 id: aefd0777d6 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - 甲賀忍者さん» ｺﾒﾝﾄありがとうございます！思いついてどうしても言ってほしくて…！！共感頂けたみたいで嬉しいです😍 (2022年6月9日 13時) (レス) id: aaa9f51a75 (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - パパのサイドエフェクトがそう言ってるって素敵な台詞！最高です！ (2022年6月7日 21時) (レス) @page34 id: 75f75dc2eb (このIDを非表示/違反報告)
Umi(プロフ) - わかさん» きゃー！！嬉しいですありがとうございますｯｯ！！ぱぱなじんくん大変にツボなのでそう言って頂けてはっぴーです(*^^*)がんばります！ (2021年8月4日 22時) (レス) id: 266bb1a809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：み
| 作成日時：2021年3月26日 13時
