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背を撫でると、こつんとおでこを重ねてくる。
長い睫毛が濡れる瞳は閉じて、薄い唇は弧を描いていた。こんな時でさえ、綺麗な人だなぁと思ってしまう。
「病院…？やっぱりどこか体調悪い？お仕事休む？」
「ううん、Aの。」
含みきれず雫を落とす睫毛を拭うと、俺は元気だよ。と再び首元へ顔を埋めすり寄る悠一。
宝物を包み込む様に優しく抱かれ、益々訳が分からない。
「私？わ、私は元気だよ…んぇ、何か視えた？病気？」
泣かせてしまう程重い病気でも…と困り果てる私を離して、今度は頬を大層丁寧に撫でてくれる。
大きくて暖かい手が包んで、幸せそうに緩む口元。どうにも悪い事ではなさそうだ。
答えを悩みあぐねる私に、あのね。と温かい声が届く。
「…A、一人目は女の子がいいって、言ってたよね？」
「っ、ぇ？う、うん。」
突然の問いに頭は目まぐるしく回り、確かそんな話をしたことがある。と記憶を辿る。頷く私を見つめる青い瞳。
「そのお願い、叶いそうだよ。」
愛おしそうに、目が痩せて私の頬を撫でる。ようやく、細々と漏れ出ていた言葉が繋がって、今度は私の体温がぶわっと上がった。もっとはっきり言ってもいい？と尋ねられ、首を縦に振る。
「Aによく似た、すっげぇ可愛い女の子がね、Aに抱っこされて、笑ってた。」
触れるだけのキスをした悠一は、再び目尻に涙を浮かべる。
「…それは、確定した未来？」
「…うん、たった今、ね。」
心臓がきゅっと心地よく締まって、体が熱くなって、言葉に表せない程込みあげた気持ちが苦しいくらい。
彼の顔がぼやけて歪んで、再び目を開くとまたぼやけた。
伺う声が、濡れて、息をのむ。
ふわりと笑って、零れ落ちていく涙を拭った悠一は、柔らかな声を耳元へ届ける。
「……ありがと、A。」
男の子か女の子か、楽しみですね。と笑顔のお医者様に、顔を見合わせにんまり微笑んでしまうのはとても近い未来だった。
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み(プロフ) - おもちさん» 長いお話にも関わらず楽しんで頂けてとっても嬉しいです💕暖かなコメントありがとうございます😍 (2022年7月21日 8時) (
レス) id: aaa9f51a75 (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - 1杯目から読ませていただいたんですが、めちゃくちゃ好きです、この作品。迅さんパパ最高…！！なんか語彙力低下中ですが本当に好きです！迅さん夫婦、幸せに！ (2022年7月20日 18時) (レス) @page7 id: aefd0777d6 (このIDを非表示/違反報告)
み(プロフ) - 甲賀忍者さん» ｺﾒﾝﾄありがとうございます！思いついてどうしても言ってほしくて…！！共感頂けたみたいで嬉しいです😍 (2022年6月9日 13時) (レス) id: aaa9f51a75 (このIDを非表示/違反報告)
甲賀忍者(プロフ) - パパのサイドエフェクトがそう言ってるって素敵な台詞！最高です！ (2022年6月7日 21時) (レス) @page34 id: 75f75dc2eb (このIDを非表示/違反報告)
Umi(プロフ) - わかさん» きゃー！！嬉しいですありがとうございますｯｯ！！ぱぱなじんくん大変にツボなのでそう言って頂けてはっぴーです(*^^*)がんばります！ (2021年8月4日 22時) (レス) id: 266bb1a809 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：み
| 作成日時：2021年3月26日 13時
