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「そうです!あの…、その時助けて下さらなければ今の私はいません。

いつかお会いしてお礼がしたいと思ってました。

迅さんのおかげで、私も、弟も、家族そろって幸せに暮らせています。

ほんっっとうにありがとうございましたっ!!」


こんな形で、直接お礼を言えるなんて思ってもいなかった。

生きることに精一杯で、泣きじゃくる私と弟をいとも簡単に抱き上げ安全な場所へ運んでくれた彼にろくにお礼も言えぬまま何年も月日がたっていたのだ。

まさかこんな形で出会える事ができるなんて、神様も手放したものだと思っていた三門は、まだまだ捨てたもんじゃないらしい。


一生、あの時そのまま別れてしまい伝えるすべもなく、後悔を抱え生きていくと思っていた私の小さな器は感情が溢れ、こみ上げてくる涙を止めることなどできなかった。


深く下げた頭の上で、ほっとしたように零れる声が聞こえる。



「そっかぁ。顔あげて。よかった、元気だったんだね。覚えててくれてありがとう」



おっきくなったねぇ、とまるで久方ぶりに会う親戚の様に、柔く笑いかけてくれる。
彼の緩い笑顔は今まで経験した事のない程安心を与えて、瞳に溜め込んだ涙を溢れさせるには十分だった。


「そりゃぁ…忘れるわけ、ない、です。お会いできてよかったです…!」


「泣かないで〜!?…こちらこそ、ありがと。」


指で涙を拭う私に少し慌てた迅さんは、再び微笑んでくれる。
ぐず、と鼻を鳴らしながらもメニューを取り出し、感極まりました、と呟いて差し出すと、けたけたと笑った。


「お客様なのにいきなりすみません。…ご注文、お決まりになりましたらお呼び下さいね」


「ううん。俺も覚えててくれる人と会えてよかったよ。じゃあ…オススメでもきこうかな」


少し羞恥が募って頬をかくと、ほっとしたように眉を下げ笑んだ彼はメニューに目を落とし伺う。

海に浸した様な透き通る瞳は長いまつ毛で隠れ、文字を辿る指は細く美しかった。



「そうですね。アメリカンコーヒーとチョコレートケーキのセットが一番人気で、オススメです」


お客様や店長さんから勉強してようやく覚えてきたオススメや人気、定番の品。

初めは勧め方さえも危なっかしかったが、ようやく順調に滑り出せた気がする。



「そっか。じゃあ、それでお願いします。」


「かしこまりました。少々お待ちください」



ふんふん、と軽く頷き見上げた瞳が痩せる様が綺麗で、思わず自然と頬が緩んだ。

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設定タグ:ワールドトリガー , 夢小説 , 迅悠一   
作品ジャンル:アニメ
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ぐりーん@Umi(プロフ) - 黒崎ソラさん» ありがとうございます!頑張らせて頂きます〜! (2016年9月14日 7時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
黒崎ソラ - 面白かったです!更新頑張ってください! (2016年9月12日 4時) (レス) id: b15a705d85 (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーん@Umi(プロフ) - 蜜柑雨さん» わぁぁお褒めの言葉ありがとうございます!!更新頑張らせて頂きます♪ (2016年9月11日 11時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑雨(プロフ) - とっても面白買ったです!!ほのぼの感が最高です!更新楽しみにしてます! (2016年9月11日 1時) (レス) id: 94c773db22 (このIDを非表示/違反報告)
ぐりーん@Umi(プロフ) - setunaさん» わわ、勿体無いお言葉を!!嬉しい限りですありがとうございます(*´ω`*) 18歳組可愛いですよね!頑張らせて頂きます♪ (2016年9月10日 22時) (レス) id: 969dfe5434 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年8月17日 15時

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