─ BEAST SIDE ─ #2 (ページ25)

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▼70 －回想－ページ25

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ドアをあけると、部屋の中は暗く

閉め切ったカーテンの隙間から僅かに夕日が射し込んでいるだけだった

床には教科書やノート、服やぬいぐるみなどがひどく散乱していて
足の踏み場もない状態だった

そして、前に目をやると

ベッドの上に体育座りをして縮こまっている、加奈の姿があった

『加奈..っどうしたの？電気もつけないで..』

僕はすぐに部屋の電気をつけた

明るくなった部屋でよく見ると

加奈は寝巻のまま、髪もボサボサだった

僕はそんな加奈の元に歩み寄った

『加奈、大丈..』

その時、僕の目には衝撃的なものが映った

それは、加奈の手首だった

カッターか何かの刃物で、何ヶ所も切り刻まれている手首..

これって、もしかして..

そう

病んでいる人の典型的な自傷と言われる、あれだった

『なんでこんなこと..』

加奈「······玄樹に愛してもらえないなら
私、生きてる意味ない」

僕はどうしていいのか分からなかった

ただ、あの時は突然過ぎたから少しびっくりして..

でも、よく考えてみたら普通なのかもしれない

ただ僕が慣れていないだけで

愛し合っているなら、あんなのは当たり前なのかも..

それなら僕はまた加奈を傷つけたことになる

それも、こんなになるまで..

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