M ページ43
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「ねえ、スマホ出して。」
「なんで？」
「いいから。」
瑞稀くんに急に言われてよく分からないままポケットからスマホを出すと大量の通知がロック画面に見えた。
ちらっと内容を確認すると全部大昇からで。
何時になる？とか、はやく来てとかそんなのばっかり。
「LINE、交換しよ。」
「え？」
「俺勉強に集中するためにSNSのアカウント全部消しちゃったんだよね。LINEも必要最低限しか登録してなくて友達ははしもっちゃんしか登録してないの。」
「じゃあ私とも交換しない方がいいんじゃ？」
「Aはここの店員さんでしょ？この席予約するためね。ここ落ち着くから好きなんだよ。」
そう言う瑞稀くんに逆らえるはずもなく、大昇からの通知が見えないようにしてQRコードを彼に差し出した。
思えば瑞稀くんとメッセージのやり取りなんてしたこと無かった。
お互いアカウントは知っていたけれど。
瑞稀くんから返された画面には"M"というアカウントからスタンプが送られてきている。
高校生の頃、喉から手が出るほど欲しかったこのトーク画面が今目の前にある。
「それ、俺ね。Aがここにいる時教えてよ。そしたらこの席予約して来るから。」
「…うん。」
どんな理由でも橋本くん以外の友達とも連絡をとってないという彼が私を追加してくれたことが嬉しくてしばらくその画面を眺めていると、急に着信画面が現れた。
私に電話をかけてくる人なんて両親か大昇しかいない。
「瑞稀くんそろそろ勉強しなきゃだよね、ごめんね邪魔して。」
「いいよ、別に。久しぶりに会えてよかった。」
「…うん、私も。じゃあそろそろ帰るね。」
「ん、また連絡する。」
奥さんに挨拶して店を出ると大昇からの電話は何度もキャンセルされてはかけ直してを繰り返していた。
通話ボタンを押すと、やっと出たあ！！と大きな声が耳に届く。
「ごめんね、友達とお茶してて気が付かなった。」
「もうっ！全然出ないから浮気してるのかと思った！！」
冗談で言ったであろう彼のその言葉がずしりと胸に重くのしかかる。
ただ再会を果たした、たったそれだけで、ただ会話をしただけなのに。
なんで私はこんなにも罪悪感に苛まれてるのだろう。
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ほの(プロフ) - もっちょんさん» お返事遅くなっちゃってごめんなさい（ ; ; ）ありがとうございます！またぼちぼち時間を見つけて更新しておりますので引き続き楽しんで頂けたらと思います(><) (2020年8月26日 14時) (
レス) id: 81704fe7b7 (このIDを非表示/違反報告)
もっちょん - めちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃったので、是非続きが読みたいです、、、！>< (2020年6月29日 1時) (レス) id: b69e0a618c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほの | 作成日時：2019年10月25日 17時
