坂道病院 小児科！

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Aside

今、302号室のベッドはひとつ空いている。
そこには本来この部屋の最年長がいるはずの場所。

それは1週間前のことだった。


西野「みんなおはよう！朝だよー！」
並木「もう朝か……。なぁちゃんおはよう。」
小坂「おはよう。よく寝れたー。」
西野「それは良かった。…珍しく理佐ちゃんの声が聞こえない。」
並木「確かに。」

場所が場所だし、何年も一緒にいるから
体調が悪いんだなっていうのはすぐにわかった。
暗黙のルールで体調が悪い人には過度に干渉しないというものがある。
一緒に毒舌を発揮する仲間がいないのは寂しかったが、
早く治るようにそっとしておくことにした。

土曜日の今日。院内学級もないので私はベッド上で本を読んでいるとカーテンの向こうに人影が見えた。
まぁ高身長のせいでカーテンから頭が飛び出ているから誰かは分かるんだけどね。

土生「おはよー。調子はどうだい？」
並木「元気だよ。結構調子いい。」
土生「おーいいねー！聴診器だけあてさせてくださいな。」

休日は回診の時間も決まっていないため、
それぞれの主治医が来る時間も違う。今日は私の主治医が一番のりだったね。

土生「うん、肺の音も心臓の音も綺麗。素晴らしい！」
並木「やったー笑」
土生「これはなんの本«ピコン、ピコン»

突如室内でモニターが鳴り出した。

土生「Aではないね。」
小坂「瑞穂ちゃん私でもないよ！」

カーテンの向こうから菜緒の声が聞こえる。
天は茉央ちゃんとデイルームにいるはず。てことは……

土生「理佐か…！」

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