優しい世界［3］ (ページ10)

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Shintaro side

「というわけでここからMCタイムでーす。
皆さん座ってくださーい」

ステージに上がったきょもはさすが、プロで、ダンスだって怪我してるなんて感じさせないように踊りきっていた。

でも、照明が暗転した一瞬の間に顔を歪めたのも、俺は見逃さなかった。

大丈夫なのだろうか、そんな心配をよそにライブは続いていく。

「あ！最初に俺から一ついい？」

MC冒頭、口火を切ったのはきょもだった。

「あのさ、俺さ、さっきステージ落っこちたのよ！
皆も気づいたでしょ？ほんとごめんなさい！
俺後ろに下がりすぎちゃってさ、でも大丈夫！
運動神経悪いなりにしっかり着地出来たから」

ファンの皆が心配してることを考えて、きょもなりのファンの子達への気遣いだと思った。

「ね！俺あの時のフォーメーションきょも隣にいるはずなのに、パッて見たら居なくてさ！魔法かと思ったよ！」

「ハッ！笑魔法ってなんだよ可愛いな！」

俺らもみんな何でもなかったように笑い話に変えた。

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