優しい世界［3］ (ページ9)

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捻挫 / 桃ページ9

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Shintaro side

「どうも森本慎太郎で～すっ
どーも森本慎太郎でーす！」

最近では俺の恒例になりつつあるライブの挨拶。

今日のライブも例に漏れることなくこの挨拶をして、その後も順調に進んでいた。

そんな最中、バクステからメンステに戻ってきて、ダンス曲を披露中、驚くことが起きたんだ。

フォーメーションが変わるタイミング、隣にいるはずのきょもの姿が無かった。

俺ときょもが後ろの位置だったから、最初は俺しか気付いてなかったけど、じきに他のメンバーも気づいた様子で、だからって曲を止められるわけでもないし、何事もないかのようにパフォーマンスを進めた。

ファンの子達ももちろん気付いて、きょもは？ってザワザワなってる様子がある。

原因はすぐに分かった。

ステージの後ろの方、今の曲の時は普通に上がっていて平面なはずなのに、下がっていて言わば、穴が出来てる状態だった。

そっから落ちたんだと思う。

決して表情に出さないように、きょものパートもなんとか俺らで補い合って一曲を終えた。

救われたのはこの曲で一度はけて着替えがあること。
映像で場が繋がれる。

「きょもは！？」
「京本は？」
「大我は！？」

はけた瞬間皆が叫んだ。

それでもステージは上がらなきゃいけない時間は迫ってるから、各々着替えもしながら。

「京本ステージから落ちた。
右の足首少し痛めてるみたい。本人は大丈夫って言ってる。
次の曲から一緒に上がるって。」

着替えの最中にスタッフさんから報告を聞いた。

準備を終えて、次に出るメンステの裏に行くと5人は既に完了してた。

「きょも平気？」

「うん、行ける。ごめん！」

もっとちゃんと確認したかったけど、時間は待ってくれない。

曲が流れ初めて、バッとステージが再び開けた。

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