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Juri side
自分のデスクで、カタカタとパソコンを操作する。
障害者雇用枠ではあるけれど、なかなか大手の会社に雇ってもらえて、今は入社3年目。
大手だから、ということもあるのか、俺みたいな人の受け入れ体制も整っていて、職場の人にも恵まれた。
この部署で障害を持ってるのは俺だけだけど、本当によくしてもらっている。
俺は弱視用のPCソフトや単眼鏡なんかを使って、手元の書類をデータに起こす事務職を主にやってるんだ。
〜♪〜
集中して作業をしていたら、あっという間に定時を知らせるチャイムが鳴った。
ここは本当にホワイトな職場だから、チャイムと共に続々と人が帰っていく音がする。
俺もキリのいいところまで進めて、PCの電源を落とし、片付けを始めた。
すると、「じゅりくん〜」と声をかけられて肩を叩かれた。
「ん？ジェシー？」
1年後輩のジェシー。
人懐っこい性格で俺にも懐いてくれている。
もう俺にとっても後輩というよりは可愛い弟分のような、そんな感覚。
大学にも弱視の友達がいたらしくて、扱いにも慣れてくれていて過ごしやすいんだ。
「今日この後暇っすか〜？ご飯行きません？」
「…あ〜ごめん、今日は弟と約束してんだ、」
「え〜残念。まぁまた誘いますわ！じゃあ大人しく俺は帰ろうかなあ。あ、駅まで一緒に帰ります？」
「おん、また誘って？ あ〜一緒にいい？」
「いいっすよ。どうせ帰るんですから！笑」
そんな会話を交わして、会社から駅までの15分ほどの道を一緒に帰る。
慣れた道だから、白杖使えば1人で歩けるんだけど、
人がいるならその方が安心なのは事実で、
今もジェシーの腕を借りて歩いてる。
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作者名：じんべえ
| 作成日時：2019年11月24日 9時
