優しい世界 (ページ9)

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Juri side

慎太郎が起きてきて、キッチンからガシャガシャと音が聞こえて、俺の座ってるダイニングテーブルにやってきた。

自分の朝ごはんを作ったのだろう。

「今日は早いな」

「うん、1限からなんだよ～今日。ねみぃな～。」

「そんなん、俺なんかいっつもこの時間だぜ？」

なんて他愛ない会話をしながらお互いの朝飯を食べて。

「あ、樹～。今日帰りいつもと一緒？」

「え？うん。今は落ち着いてるし残業にもならないと思う」

「あの～さ、行きたいご飯屋さんあるんだけど」

「あ～、奢れと？」

「また高すぎるのとか無理だよ？俺」

一度こんな風に頼まれて連れていかれたお店が随分高くて支払いの時びっくらこいたことがある。

「だーいじょうぶ普通普通」

「おっけ分かった。行こう。俺どうしたらいい？」

「やった！さんきゅ～。会社の最寄りにいて？俺そこまで行くから」

俺が1人で慣れない電車に乗るのが苦手なことを理解して、わざわざ会社の最寄りまで来てくれるような優しいとこがあるんだよ。こいつには。

大学にバイトに忙しい中、出来る時は必ず夜ご飯作ってくれてるし、たまには飯に連れてくのも大事なことだろう。

そんなこんなで朝飯を食べ終えて、部屋に戻ってスーツに着替えて、出社の準備を進めた。

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