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Juri side
「じゅり〜、どう？調子は」
「…普通、」
「あ、適当に漫画持ってきたよ？部屋にあったの。
暇つぶしになるっしょ？ ここ置いとくから。」
毎日毎日やってくる兄貴。
「仕事は？」
「ん？いいからお前は気にしなくて。
しばらく在宅で出来る仕事まわしてもらえることになったんだよ。」
「なんで兄貴が」
「いや、会社通ってたら全然ここ来れないし」
「いいよ来なくて」
「少しでも支えたいんだよ俺も」
そんな風に笑ってる兄貴が今の俺には負担だった。
「そーいうのが重荷だって言ってんだよ！！
分かんねえだろ兄貴には俺の気持ちなんて、！
もう終わってんだよ俺の人生。足動かねえんだよ？
自分でトイレにも行けねえで人に世話される気持ちが分かる？
こんなんならそのまま命なんか助からないで良かったわ…！」
思いのままに声を荒げると、気づけば兄貴に頬をぶたれていた。
「分かんねえよどれだけ考えたって気持ち全部理解なんて到底出来ないよ…
出来るわけないけど、でも寄り添おうとすることは出来るでしょ、
…俺に当たってくれるのはいくらでも受け入れるし、言いたいことは言って欲しい。
でも、でも助からない方が良かったとか…そんなこと言うな、、
もう絶対言わないでくれよ…俺のために、」
あぁ、俺はこんなに人を悲しい顔にさせてしまったのか。
そう思った。
俺自身のことなのに、こんなにも悲しい顔をしてくれる人が居るのか。
少し目が覚めた。
俺はただ、逃げてただけか。
「…ごめん、兄貴…」
いいんだよ、と兄貴は笑って、そして謝られた。
それから、いろんな資料を見せてくれて。
今はベッドの上で寝てるだけ、何にも出来ない俺だけど、リハビリを頑張れば自由に生活できるらしい。
先生もそんなようなこと言ってたけど、言葉だけじゃ何にも想像がつかなくて。
実際に怪我をして障害を負った人たちの生の声ってのは今な俺には大きな希望に感じた。
やるしかねーかって。
自分の中の何かが動き始めた。
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作者名：じんべえ
| 作成日時：2019年11月24日 9時
