64.生クリーム。 ページ17
エースくんとデュースくんの決闘騒ぎの前日にトレイさんがタルトをくれたことを思い出し、僕はお礼を伝えた。
トレイさんは僕の言葉に少し照れたようで頰を赤くしながら、僕から視線をそらした。
トレイ「それならよかったよ」
ケイト「トレイくん、照れてるのー?これはマジカメに載せないと!」
トレイさんの反応を見てケイトさんがすかさずスマホを向けたがトレイさんに呆気なく阻止されていた。
A「でも、僕、料理とかしたことないです」
トレイ「難しいことは頼まないからそんなに身構えなくていい」
ケイト「じゃ、さっそくいこっか!」
僕は2人に背中を押されて、ハーツラビュル寮のキッチンへと向かった。
*・゜゚・*:.。..。.:*・*:.。. .。.:*・゜゚・*
人間っていろんな食べ物を焼いたり、混ぜたりして料理をするのだからすごいなぁ…と改めて感じた。
トレイさんは慣れた手つきでどんどん準備を進めていく。
僕は何をすればいいのかわからずにその様子を眺めていた。
ケイト「今日はけーくんも手伝っちゃうよ!」
トレイ「仕事は増やさないでくれよ?」
なんだかんだでこの2人は息が合うようだ。
僕はどんなタルトが出来上がるのかワクワクした気持ちになる。
トレイ「Aは生クリームを泡だててくれるか?」
トレイさんが僕にボウルに入った生クリームと泡立て器を渡してきた。
A「混ぜればいいんですよね?任せてください!」
僕は受け取ると気合いを入れて混ぜ始めた。
しかし、タルトを作るというのは大変な作業で生クリームは全く泡だたず、作業に慣れていない僕はボウルを滑らせてしまった。
A「…ぁっ!!!!」
ケイト/トレイ「?!」
僕は滑らせてしまったボウルをキャッチしようと床に滑り込んだが、残念ながらボウルはひっくり返ってしまい、挙げ句の果てに頭から生クリームを浴びてしまった。
ボウルが転がる音が虚しく響く。
A「うぅ…」
失敗してしまったことと、床を汚してしまったことに罪悪感を感じた僕は顔を上げられずにいた。
すると、
パシャッ
写真を撮る音が聞こえて、顔を上げるとケイトさんが僕にスマホを向けていた。
A「…あ、あの」
ケイト「うん、その顔もいいね」
ケイトさんはぺろっと舌を出すと真剣な表情で再び写真を撮った。
僕は困惑してしまい、さらに動けなくなり、視線でトレイさんに助けを求める。
646人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なすてん(プロフ) - ムクロさん» コメントありがとうございます!ストレートなお言葉ありがたいし、嬉しいです(´;ω;`)もっと好きになってもらえるように頑張ります! (2020年6月28日 23時) (レス) id: 7c2e5224a1 (このIDを非表示/違反報告)
ムクロ(プロフ) - 好きです((( (2020年6月24日 14時) (レス) id: 1f680d1d0e (このIDを非表示/違反報告)
なすてん(プロフ) - 可憐さん» コメントありがとうございます!エースくんにはわりと健全な男子高校生してもらいたい欲望であんな感じになってますw間違いなく素敵な彼氏になってくれます!w最後までお付き合いいただけると嬉しいです(><)よろしくお願いします! (2020年5月22日 22時) (レス) id: 7c2e5224a1 (このIDを非表示/違反報告)
可憐 - 彼氏力高過ぎる、エースくんめちゃくちゃ好きです、、、、ずっとみます!更新頑張ってください! (2020年5月21日 1時) (レス) id: aaa6925eed (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なすてん | 作成日時:2020年5月14日 17時