49.おとぎ話。 ページ2
あまり大きな怪我はしていなくて、僕は安心した。
エース「Aの魔法ってあったかい」
A「そうかな?」
エースくんはよほど疲れているようで目を細めて、まったりとした口調で言った。
その様子がかわいいなと思ったのと、あったかいと言われたことが嬉しくて、僕ははにかんだ。
目に見えるところの怪我は最後となり、その傷に手を当てると、エースくんの体が僕の方に倒れてきて、エースくんの腕が僕の肩に乗せられた。
突然のことに驚き、僕はエースくんの顔を見上げたが…思っていたよりも近かった。
A「エースくん?!どうしたの?!」
寝ちゃったのかな?とか、傷が痛んだのかな?とか心配になり、声をかけてみたが返事はなくて、しばらくその体制でいると、
エース「Aのおかげで頑張れたんだ…ありがとう」
と真剣な表情で見つめられ、小さな声で呟かれた。
僕、何かしたっけ?
一生懸命思い出そうとしたが答えが出ず、とりあえず、よしよしとエースくんの背中を撫でてあげた。
エース「頑張ったご褒美、もらってもいいよな?」
ほんのり頰を赤くしたエースくんが僕の目を見て問いかけるものだから、思わず頷いてしまった。
僕にあげられるものなのかな?と考えているとエースくんの顔が近づいてきて、柔らかい唇が僕の唇に重なった。
エースくんの体温が伝わってくる。
熱い…。
小さい頃に聞いたことがある。
海にいた人魚姫が人間の王子様に恋をして、永遠の愛を誓った2人は唇を重ね合わせたんだって。
それが人間の愛情表現の仕方なんだって。
じゃあ、今の僕の状況は…?
エースくんと僕は永遠の愛を誓ったっけ?
僕がぐるぐると思考を巡らせているとエースくんは唇を離して、満足そうな表情を浮かべた。
エース「ごちそーさん。あー、いい夢みれそー!」
と言って僕に顔を見られないようにしてソファーに寝っ転がった。
A「え…あ…うん…」
僕は状況の整理が追いつかず、寝っ転がったエースくんを見ながら、なんとも中身のない返事をするしかなかった。
でも、不思議と嫌な気持ちはしなかった。
そっと、僕は先ほどまでエースくんと触れ合っていた唇に指を添えた。
まだ少し熱が残っている気がした。
人間ってよくわからない。
みんなと過ごしていくうちにこの行為の意味もわかるようになるのかな?
考えることが止まらず、僕はその場から動けなかった。
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なすてん(プロフ) - ムクロさん» コメントありがとうございます!ストレートなお言葉ありがたいし、嬉しいです(´;ω;`)もっと好きになってもらえるように頑張ります! (2020年6月28日 23時) (レス) id: 7c2e5224a1 (このIDを非表示/違反報告)
ムクロ(プロフ) - 好きです((( (2020年6月24日 14時) (レス) id: 1f680d1d0e (このIDを非表示/違反報告)
なすてん(プロフ) - 可憐さん» コメントありがとうございます!エースくんにはわりと健全な男子高校生してもらいたい欲望であんな感じになってますw間違いなく素敵な彼氏になってくれます!w最後までお付き合いいただけると嬉しいです(><)よろしくお願いします! (2020年5月22日 22時) (レス) id: 7c2e5224a1 (このIDを非表示/違反報告)
可憐 - 彼氏力高過ぎる、エースくんめちゃくちゃ好きです、、、、ずっとみます!更新頑張ってください! (2020年5月21日 1時) (レス) id: aaa6925eed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なすてん | 作成日時:2020年5月14日 17時