拝啓、僕が歩んだ日々へ (ページ7)

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☆ ページ7

死神って、俺を連れて行ったあとどうするんだよ

ふいに問われたその言葉に、咄嗟に返すことが出来なかった

明らかに本名では無さそうなそらるという名前

最初こそ動揺していたものの案外あっさりと自分の死を受け入れたその心

むしろ自分の今の姿に驚いているようだった

面白い人だなぁ

最初の感想はそれだけだった
いつも通り生まれ変わりか亡者の星か選ばせてそこまで連れていく

機械的に、ただ機械的にそうしてく
日々のルーチンワークとして
今までやってきた通りに

ただ今までの亡者と違ったのは、彼が私に興味を持ったこと

私のことを知ろうとしたこと

私に歩み寄ってきたこと

正直なところを言えば私が死神である保証なんてどこにもない
けれど生の世界でも死の世界でもないここで生きていくためにはそうするのが必然だった
そうするしかなかった

今まで道案内をしてきた人間の中には死神なんて信じない人もいた
私の死神としての存在を否定される度に心は狂気に満ちていった

じゃあ私は一体何なの？

怒りに任せてそう言えればどんなに楽だったことだろう
でもその問への答えは誰も持っていない
答え合わせのしようがない
だって自分ですら分かってないのだから

聞いたってどうせ失望するだけだから
絶望するのが怖くて言えなかった

存在意義をまた探すのはしんどいのは明らかだったから

この二年間
髪が伸びた
爪も伸びる
ちょっと痩せた

普通の死神には有り得ない身体の成長
まるで私の存在を許すものかと言わんばかりにそれは止まらなかった

ただ、私はどうやらただの亡者でもない
亡者に身体はない
だってもう火葬されているから

従って亡者にも身体の成長はない

だったら私は

私はなに？

死神でもない
亡者でもない

わたしは、わたしは

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