☆ ページ6
最後にそう締めると、彼女は改めて言った
「さあ行こう、亡者の星まで連れて行ってあげるから」
「分かったけど、どのくらいかかる訳?そこまで。俺あんまり体力ないんだけど」
「すぐだよ。君が本当に行きたいと思っているなら」
結果としていえば、亡者の星にはなかなか辿りつかなかった
「…………君、本当に亡者の星に行きたいの?」
「それは何度も確認しただろ、行きたいよ」
「じゃあ何でこんなに着かないの……!?」
「いや俺が聞きたい」
嘘だ
本当は分かってる
まだAといたかった
いや、正確にはまだ聞きたいことがあった
確かめたいこともあった
Aの話を聞いて、何となく引っかかることがあったから
それを確かめたい
けれどそんなものは建前で、俺はとっくに気付いていた
正直もう亡者の星とか死神とかどうでもいい
ただAと一緒にいたい
少しずつ、本当に少しずつだけど俺は確実に彼女に惹かれていってる
まだ恋とも愛とも呼べないが、俺には分かる
多分俺は、今に彼女が好きになる
会って間もない年下の少女にここまでご執心とは我ながらいっそ笑えてくる
だが構うものか
今Aの手を放してしまったら絶対後で後悔する
この少女が愛しくて愛しくてたまらなくなる
そんなとき何も出来ないでいるなんて願い下げだ
そんな近い未来に対する執念を星も感じ取ってくれたのか、歩けども歩けども目的地に着くことはなかった
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ゆーき - エッ智春さん!?戻ってきてたんですか!?!?うわああああめっちゃ嬉しいです!(;_;)そして大好きな作者さんばかりなので毎回楽しく見させていただいてます◎これからも応援してます (2016年3月23日 18時) (レス) id: 675204a53d (このIDを非表示/違反報告)
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