りるぽんず* ページ32
「なるほど、あなたは死にたいわけだ」
「そうなるね」
「なら」
うん?と聞き返す彼女の声は声にならない。
瞬きすらせず、ただ固まる。まるで、自分の身に起こったことを理解していないようだった。
「……どういう、つもりかな」
「見たまんまじゃないですか?」
口角を上げたまま、彼女は地に膝をつく。自然と見下ろす形になって、どういう訳か笑みがこぼれた。
「中々面白いね、私、びすのそういうとこが好きだったよ」
「それはどうも」
「でもさ」
彼女は小さく呻きながら腹に刺さったナイフを引き抜く。そしてまた笑って首をかしげた。
「最後までやりなよ」
本当にバカだ。どうしようもないバカだ。
「場所を変えましょう」
「……まあそれは別に良いんだけど、今もこれ地味に痛いんだよ、歩けない」
俺が、あなたを殺せるわけがないのに。
みんな、自分の命が大事だった。
周りなんてどうでも良かった。目に入らなかった。
だから俺がこうして彼女を姫抱きにして戦線を外れようとも、気付かない。彼らも大概だった。
変な悲鳴をあげる彼女に無視を決めこんで、ここなら大丈夫だという場所に彼女を降ろした。
急所を大きく外したとは言え出血量が多い。目測を誤ったらしい。失敗だった。
息も絶え絶えの彼女の首に指先を這わせると、彼女の肩がぴくりと揺れる。
それにまた、俺は笑んだ。
「おやすみ、なさい」
彼女が目を閉じる。頭を、俺の方に預けさせて、意識を飛ばす。
ねえ、謀反ってわかりますよね。俺、あなたに誓ったじゃないですか、あなたに誠心誠意尽くしますって。ねえ、忘れたんですか。
ナイフの切っ先を自らの首に当てがう。怖さは、ない。
何処からか、声が聞こえた。
『ねえ、なんで殺してくれなかったの』
そんなの、あなたが一番よくわかっているでしょう。ねえ、
「A」
紅が、舞う。
*
は い 死 ん だ \(^ο^)/
圧倒的死亡率ですねこれは私もやらないとって思いましたやりました(使命感)そして相変わらず文字数鬼ですね
ちなみにというかタイトルでお察しでしょうが私が当てたのは「尽誠」です被ってたらすいません本当すいませんではクソポン酢でした!
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ゆーき - エッ智春さん!?戻ってきてたんですか!?!?うわああああめっちゃ嬉しいです!(;_;)そして大好きな作者さんばかりなので毎回楽しく見させていただいてます◎これからも応援してます (2016年3月23日 18時) (レス) id: 675204a53d (このIDを非表示/違反報告)
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