拝啓、僕が歩んだ日々へ (ページ27)

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幸せの定義ページ27

将来の夢をここに、書いてください

得意な運動も趣味もない。
別に成績がいいわけでもない。

人よりも秀でている、と自信を持って言うことのできるようなものが、私には何一つ

「ない。」

だから、小学校の担任の先生に頼まれた
�将来の夢を紙に書く�ということが難しかった。

先生？私よりも勉強が得意な人がいるのに私が先生になるなんておかしい。

スポーツ選手？運動は人並みで、特に好きでもない。

得意なものが何も無い私が持てる夢って何だろう。

普通の職について普通の生活を送るのは、将来の夢とは呼べないのかな

そんなことを考える時点で、ちっとも可愛げのない私が、私は好きになれなかった。

(私が生きていて役に立てることってなんだろう)
(私はこの生き方であってるのかな)
(きっと何も変わらないまま、明日が来て)

(それが続いて、１０年くらい過ぎて＿＿＿＿)

その約１０年後が、今みたいな日々だとは小学生の私には予想できなかっただろう。

「何がないの？」

だって隣には君がいるから

「え？」
「今ないって言ったじゃん、何がないの」

きっと小学生の私は、今がこんなに輝いているとは想像すらできなかったはず

独り言だと言えば、ふうんと不思議そうな顔をする君と過ごしている事を。

夢だとか、幸せの定義を探していたあの頃は。