☆ ページ3
「なら詳しく聞かせろよ、死神の話」
こちらが興味を持ったことに気を良くしたのかAは意気揚々と話し始めた
「死神の仕事ってよく人間を殺すことだと思われてるけど違うんだよねえ。ただ死を迎えた人間を連れていくだけなのに」
「連れていくってどこに?」
「それはもちろん………」
「ーーー亡者の星」
亡者の、星
耳馴染みのない言葉だったが意味は何となく分かった
「死んだ人間には選択肢が二つある。生まれ変わるか、そのまま霊として存在し続けるか。後者を選んだ者が連れて行かれる先が、」
「……亡者の星」
「そう。文字通り亡者が集う星。」
まあ星なんて言っても実際はただのたまり場みたいなもんだけどね。
そう結んだときのAはどこか遠くを見つめていて、その視線の先には何があるのか少し気になった
「…………で、お前は俺をそこに連れていくと?」
「君に転生の意思が無いならね」
「転生の意思、ねえ」
「本来は転生の輪に戻るものなんだけどね。人間が永遠に存在し続けるなんて正気の沙汰じゃない次第に狂っていく」
まるでそうなった人間が沢山いるかのような口ぶりだったが、実際そうなのだろう
永遠のときを過ごす
字にすればまるで夢のような話だが、その間の俺達には何もすることがない
何せもう死んでいるのだ
身体が無いなら出来ることも限られてくる
そんな制限下で得られる永遠の時間なんてきっと苦痛以外の何でもないはずだ
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ゆーき - エッ智春さん!?戻ってきてたんですか!?!?うわああああめっちゃ嬉しいです!(;_;)そして大好きな作者さんばかりなので毎回楽しく見させていただいてます◎これからも応援してます (2016年3月23日 18時) (レス) id: 675204a53d (このIDを非表示/違反報告)
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